【高雄 観光】レトロ建築を巡る散歩コース 〜高雄市立歴史博物館など

台湾 高雄

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はじめに~高雄に残る日本統治時代の面影

台湾南部の最大都市・高雄。最近では、ベイエリアを中心に開発が進み、新しい観光スポットも増えてきました。そんな成長著しい高雄ですが、レトロなものも案外たくさん残っています。今回は、数あるレトロスポットの中から、主に日本統治時代の建物をピックアップして紹介していきたいと思います。エリアは鹽埕埔とMRT西子湾駅周辺。日本統治時代に大きく発展し、古い建物が比較的残されているエリアです。それでは早速、タイプスリップツアーのスタートです。(トップ写真は、「書店喫茶 一二三亭」の正面)

1.まずは「旧高雄市役所」からスタート!

高雄市の中心を流れる愛河。そのほとりに位置する壮麗な洋風建築の建物が、「高雄市立歴史博物館」です。ここはもともと、日本統治時代の1939年に建てられた旧高雄市役所の建物で、現在では、高雄の歴史を隅々まで学べる歴史博物館として活用されています。戦後も中華民国の高雄市政府庁舎として長く使われ、1992年に市政府が移転した後、1998年に歴史博物館として再出発を図ったというわけです。

まず、この建物が非常にかっこいいです。典型的な帝冠様式の和洋折衷型建築で、基本は洋風建築でありながら、東洋的な屋根がかかることにより、独特の美しさと風格を醸し出しています。内部も細部の装飾までとても凝っており、建築を見るだけでもかなり時間が欲しいくらいです。

1階も2階も見ごたえ十分!高雄の歴史から二二八事件の資料まで、高雄の光と影を一気に学べる

1階は、常設展として、古代から現代までの高雄の歴史を丁寧に学べる「大高雄歴史常設展」が開かれています。これが、なかなか面白くて、動画をはじめとする様々な視覚効果が活用され、子供でも分かりやすい展示になっています。丁寧に見て回るとあっという間に時間が過ぎてしまいますね。

2階は、高雄の歴史で忘れてはならない二二八事件に関する常設展示「二二八0306」を見ることができます。1947年におこった二二八事件。暴動は台北にとどまらず、台湾各地に拡大しました。それを鎮圧しようとした当局は、多数の市民を殺害。この歴史博物館の建物周辺も、その惨劇の主な舞台になったのです。見ていると心が苦しくなってくることもありますが、これも台湾が経験した歴史。台湾に興味がある方なら、ぜひこちらもじっくり見て、台湾がたどってきた苦闘の歴史を肌で感じていただきたいです。

このように非常に見ごたえがある、いろいろと考えさせられるものもある歴史博物館。少し時間を多めに取っていらしてください。

高雄市立歴史博物館

住所:高雄市鹽埕區中正四路272號
開館時間:9:00~17:00(月曜定休)

2.西子湾駅付近に移動したら日本時代の建築物がいっぱい!~その1・高雄武徳殿

高雄市立歴史博物館がある鹽埕埔からMRTで一駅。西子湾駅周辺は、日本統治時代に大きく発展したエリアです。そのため、戦災を逃れて今も残る日本時代の建物が数多くあり、それらが様々な形で活用されています。その典型例が武徳殿です。

日本統治時代には、台湾各地に武徳殿と呼ばれる武道場が作られました。高雄の武徳殿は1924年に建てられたもの。台湾各地の武徳殿は現存するものも多く、高雄の武徳殿もきれいに修復され、現在も武道場として使われています。練習がないときは、内部見学も可能で、かなり大きな建物の中に入ると、身が引き締まる感じがします。

この武徳殿は、戦後日本が引き揚げてからは、地元の小学校の教職員宿舎などに使われてていたものの、のちに荒れ果てた状態になってしまいました。しかし、1999年に市の古蹟に指定されてから修復が進められ、現在のような美しい姿が蘇ったそうです。

高雄武徳殿

住所:高雄市鼓山區登山街36號
開館時間:10:00~18:00(月曜定休)

その2・昨年リニューアルオープン!旧愛国婦人会館

武徳殿から徒歩2分くらいの場所に、瀟洒なレンガ造りの洋館があります。これが、「旧愛国婦人会館」です。この建物は、1922年に建てられた、日本統治時代の婦人組織のための建物でした。

この建物、戦後は台湾の赤十字の施設として長く利用されてきて、一般の人には開放されていませんでした。ですが、近年になって修復・整備も終わり、外観だけでなく建物内部も見られるようにました。戦後は、内部は、常設に近く長期展示の企画展が見られるほか、フリマのようなイベントの会場としても使われるようです。私が訪れた時も、数多くのブースが出ていて、個性ある品々を販売していました。中には、高雄に住む日本人の方が出しているお店もあり、ついつい時間を忘れておしゃべり。その方も、「台南を訪れる人は増えたが、高雄を素通りする人がまだ多いので残念だ」と話していました。こういう施設群を軸に、街歩きを楽しむ人が増えるといいですね。

旧愛国婦人会館

住所:高雄市鼓山區登山街28號
開館時間:10:00~17:00(月曜定休)

その3・高雄でレトロカフェといったここ!書店喫茶 一二三亭

いわゆる「ハマシン地区」において、日本統治時代の建物を活用して、リノベレトロカフェを営業している「書店喫茶 一二三亭」。日本時代の1920年に料亭として作られた建物を改造して、とても雰囲気のよいカフェとして営業しています。オープンは2013年、今年でちょうど10周年なんですね。このお店は、とにかくレトロな雰囲気が素敵。1階の店の入口の暖簾(これがまた良いんです!)をくぐり抜けると、そこはもう戦前の昭和。自分がどの時代にいるか、わからなくなりそうです。

店内は思いのほか広く、壁一面の書棚に並べられたたくさんの本がとても目を引きます。そう、ここは台湾でも最近増えてきたブックカフェの代表格でもあるんです。かなり硬派の書籍から日本語の小説まで、バラエティに富んだ本を店内で読むことができます。このお店は、ドリンクやフードもかなりレベルが高いです。コーヒー、台湾茶いずれもとてもおいしく、種類も豊富。毎回どれを飲むか本当に悩みます。また、スイーツ類や軽食もおいしくて、ランチで利用するのも良いですね。

お店の付近には、古い建物がまだまだ残っており、中にはリノベされて飲食店などになったところもあります。一二三亭に来たら、近所の散歩もぜひ楽しんでください。

書店喫茶 一二三亭

住所:高雄市鼓山區鼓元街4號2樓
営業時間:10:00~18:00(無休)

その4・ハマシンの繁栄を今に伝える旧三和銀行のカフェ

最後に紹介するのが、三和銀行高雄支店、といってもそれは日本統治時代のことです。1921年に開業した同支店は、当時最もにぎわっていた、旧高雄駅の駅前・新濱町に店舗を構えました。瀟洒な洋風建築がとても美しいこの建物、戦後は派出所などに使われていましたが、他の歴史建築同様、市の古蹟に指定され、修復が進められました。そして、2020年にカフェ「新濱・駅前」として開業にこぎつけました。

銀行でコーヒーブレイクするのは珍しい体験かも?!

内部は、銀行時代の重厚な雰囲気を上手にリノベして、本当に銀行でコーヒーやお茶を飲んでいるような気持ちになれます。昼間も建物も美しいですが、ライトアップされた姿もまた素敵です。日中来ても、夜来ても楽しめるおしゃれなレトロカフェとして週末ともなると大混雑になるようです。

新濱・駅前

住所:高雄市鼓山區臨海三路5號
営業時間:11:00~20:00(無休)

さいごに

いかがでしたか。比較的狭いエリアに、見逃せない日本時代の建物が数多く残されているのがお分かりいただけたと思います。アクセスもとても便利。いずれもMRTの駅から徒歩圏内なので、車やバイクを使わずに、自由にさんぽが楽しめます。ここからさらに、西子湾の夕陽を見に行ったり、地元の連絡船で旗津半島に渡るのも楽しいと思います。台湾南部に来たら、ぜひ高雄レトロエリアの街歩きも楽しんでくださいね。(最後の写真は「高雄武徳殿」の外観)

 

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