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目次
はじめに~観光地化されていない台北の街角を歩いて台湾の歴史を感じよう
台湾のレトロ街の代表格として有名になり、コロナ前は日本人観光客もたくさん訪れた迪化街。その東側のエリアに、あまり有名ではないものの、渋いレトロエリアがあります。日本統治時代を中心にした歴史を随所に感じさせてくれる、なかなか面白い地区なんです。今回はこのエリアを訪れてみたいと思います。(写真は「新芳春茶行」の1階正面)
1.台湾茶に関する隠れ家的な資料館 ~ 新芳春茶行
まずは、迪化街を北上して、民生西路を東に折れて数分歩くと、洋館風の立派な建物訪れましょう。これが「新芳春茶行」です。2019年に創建されたお茶屋さんの立派な洋館。この建物が今では、この茶行を中心とした茶業の歴史を学べる小さな博物館になっています。
建物は3階建て。現在のところ、2階まで見学できるのですが、館内はお茶に関する展示がたくさん見られます。お茶屋さんの古い品物なども展示され、台湾の茶業が大きく発展した時期の栄華を感じさせます。また、この建物の修復の過程を説明する部屋もあり、とても勉強になります。
1-2.お茶の資料館ではおいしいお茶が飲めて、関連書籍も充実
さらに、2階の一部分は書籍等の販売コーナーになっており、お茶や老建築に関する本がたくさん陳列されていて、どれもじっくり読みたくなってしまいます。筆者も一冊購入しました。このような小さな博物館や文化イベントスペースなどでは、一般の書店ではあまり見かけないこだわりの本にも出会えるのがうれしいですね。さらに、その傍らに喫茶コーナーがあり、館内でお茶などのドリンクをいただくこともできるようです。時間に余裕があるときは、こちらでお茶しても良いかもしれません。
新芳春茶行
住所:台北市大同區民生西路309號
開館時間:10:00~18:00(月曜火曜休館)
2.日本時代の警察署跡が台湾民主化運動の資料館に ~ 台湾新文化運動紀念館
新芳春茶行を出て、民生西路を東へ進み、夜市で有名な寧夏路を北上すると西洋円柱式の建物が見えてきます。ここはかつて日本統治時代に、台北北警察署として使われていた建物で、現在では、台湾新文化運動紀念館として蘇りました。内部もレトロを感じさせ大変美しいのですが、昔の警察署だけあって、留置場や拷問場所なども残されています。内部を見学していると、ときおり複雑な気分になるコーナーもありました。
日本統治時代、この地区は台湾人による民主化運動の中心地だったこともあり、かつては弾圧の対象だった民主化運動の歩みを学べる資料館になったというのが興味深いですよね。
2-2.歴史建築の中で優雅にコーヒーを楽しもう
1階のエントランス横には、昔の雰囲気を再現したカフェ「八斤所 8 Jin Cafe」ができており、開放的でレトロな空間でゆっくりコーヒーをいただくことができます。台湾では、非常にまじめな展示が見られる資料館の一角にカフェができることが多く、学びの後の一服が楽しめるのも魅力の一つではないでしょうか。
台湾新文化運動紀念館 / 八斤所 8 Jin Cafe
住所:台北市大同區寧夏路87號
開館時間:9:30~17:30(カフェは10:00~、月曜休館)
3.日本時代の医院が文化の発信基地に ~ 旧仁安醫院
新文化運動紀念館から寧夏路を北上し、涼州街を西に進むと、こちらの美しい洋風建築が見えてきます。ここは、日本統治時代の1927年に建てられた医院「仁安醫院」の跡です。建築物としても美しい医院の建物は、内部も見学することができます。館内にはかつての医院の様子が保存されていて、医療器具なども見学することができます。
現在では、地域団体が文化活動の拠点として活用していますが、今年になって、市の古蹟になることが決まり、今はいったん閉館中。今後、歴史資産としての活用法を検討して、新たに公開される日が楽しみです。
仁安醫院
住所:台北市大同區延平北路二段237號
開館時間:現在、一時閉館中(外観はいつでも見学可能)
4.ゴージャスなレトロスタバ ~ 星巴克保安門市
台湾でも大人気のスターバックスコーヒー。今では各地に店舗ができて、日常生活になじんだ存在になってきましたが、数ある店舗の中で、レトロな建物のスタバがあるんです。その一つがここ、保安門市(店)です。仁安醫院から東へ少し戻り、重慶北路を南を進むと、とても豪華な雰囲気のレンガ造りの建物が見えてきます。
ここはかつて、日本統治時代の1926年、当時パイナップル王と呼ばれた豪商・葉金塗が建てたビルです。今では背後に現代的なビルが建てられていますが、かつてのレンガ造りの建物の部分が保存され、スターバックスの特色店舗として活用されるようになりました。もちろん、コーヒーのお値段は他の店舗と同じなので、気軽に利用することができます。
星巴克保安門市
住所:台北市大同區保安街11號
営業時間:7:00~22:00(原則無休)
5.古きよき廟と屋台のコラボ ~ 大稻埕慈聖宮周辺
レトロスタバから再び西へ移動します。そこには、昔ながらの雰囲気を残す廟があります。その名は「大稻埕慈聖宮」。いわゆる媽祖宮の一つなのですが、実はこの廟の前には台北でもかなりローカル色を残した屋台街があり、地元の人たちに愛されています。最近ではおしゃれなエリアが増えた台北ですが、ここに来ると何十年も前の台湾に戻ったかのよう。お酒を飲まない人が多い台湾ですが、この屋台街では昼間からビール片手におしゃべりに興じるおじさんたちが多く、お酒好きには楽しいエリアですね。
大稻埕慈聖宮
住所:大同區保安街49巷17號
開館時間:不明
5ー2.屋台で豚足の麺線を堪能
今回は、たくさんある屋台の中で、比較的有名な豚足麺線のお店にお邪魔しました。台湾の豚足といえば、甘辛いタレがたっぷりかかった少し濃い味の料理というイメージが強いのですが、このお店の麺線に入っている豚足はタレを使わず、あっさり風味。食べやすいのですが、ボリュームはたっぷりで、麺線一杯で満腹になれます。夕方にはほとんどの屋台が閉まるので、お食事に来る場合はお昼から午後に来るとよいでしょう。
許仔豬脚麺線
住所:慈聖宮に同じ
営業時間:10:00~18:30(土曜~17:30、日曜休み)
さいごに
いかがでしたか?迪化街のような派手な見どころはありませんが、それがかえってローカルの雰囲気を残しているように思います。MRTの駅からも徒歩圏内ですし、夜になれば近くの寧夏夜市で軽く食べて帰ることもできます。台北の中心部で、素朴で懐かしい台湾に出会える迪化街の東側にも、ぜひいらしてください。(写真は、「台湾新文化運動紀念館」の内部)
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