【 台南 散歩 / 林百貨 / 台湾文学館 / 台南市美術館1館 / 台南司法博物館 / 台南市消防史料館 / 台南観光 】
目次
はじめに
台南の見どころは星の数ほどあります。けれども、見どころがあまりに多すぎて、一体何を見に行けばよいか、絞り切れないこともしばしばあります。そこで今回は、台南に今でも残る日本統治時代の洋風建築に絞ってご紹介しようと思います。どれも重厚感があって立派な建物ばかり。現在では、さまざまな形で再活用されているこれらの施設は、どれも比較的近所にあるので、まとめて見学することも可能。さっそく、一つひとつ見ていきましょう。なお、施設内にカフェ等がある場合は、その一部を紹介しています。(トップ写真は夜の「林百貨」)
1.台南の新しいランドマーク~ 林百貨
まずは何といっても、台南の新しい観光の目玉スポット「林百貨」を紹介しないわけにはいきません。1932年に開店した「ハヤシ百貨店」。山口県出身の林方一が創設した1930年代の流行の最先端を行くデパートで、日本統治時代には台南で唯一近代的なエレベーターを持つ施設だったそうです。戦争中に空襲にあったものの、戦後も中華民国政府などによって利用されてきましたが、1980年代になると空きビルになってしまいました。これを台南市が1998年に市の古蹟に指定。その後、修復作業が進められ、2014年に再び百貨店として蘇ったのです。
今では、オリジナル商品をはじめとした、台南を就寝とする各種物産品が販売され、台南を旅行する日本人が必ずと言ってよいほど訪れる観光スポットになりました。コロナの感染拡大以降は外国人観光客はほとんど来られなくなってしまいましたが、昨年秋に外国人旅行客の台湾渡航が可能になってから、日本人旅行客の姿も見かけるようになりました。
5階には町を見渡せるカフェもあり、眺望を楽しみながらコーヒーや軽食を楽しむことができます。屋上には日本時代に建設された神社も残っていますよ。
林百貨
住所:台南市中西區忠義路二段63號
営業時間:11:00~21:00(無休)
【館内カフェ】
林珈琲
営業時間:11:00~19:00(土日は~21:00)
2.ヨーロッパの洋館を思い起こさせる巨大な歴史建築~ 台湾文学館
林百貨から歩いてわずか3分の円環(ラウンドアバウト)の一角に、非常に大きなレンガ造りの洋風建築が見えてきます。これが台湾文学館。日本統治時代に台南州廳として建てられた建物です。州廳とは、台湾において広域行政を管轄する役所の名前。台湾各地に残る「州廳」はどれも壮麗で、この建物にかける台湾総督府の意気込みが感じられます。
内部は、大胆にリノベされています。レンガ造りの部分をしっかり残しつつ、新しく建設した部分はとてもモダン。このような新しいものと古いものをうまく融合させて、おしゃれで雰囲気の良い空間を作るのは、台湾の得意分野の一つともいえるでしょう。
台湾の文学にどっぷりつかり、広い休憩スペースでひと息つく
展示エリアでは、台湾の分画に関するさまざまな展示が季節ごとに開催され、ものすごいボリュームで台湾の文学にさまざまな角度から触れられるようになっています。楽しい展示が多いのですが、とても勉強になりますね。地下には、本物の図書館があり、地元の人々も気軽に訪れる場所になっています。休憩スペースも広いので、暑い時期の街歩きの際は、ここでひと休みするのも良いでしょう。
台湾文学館 (旧台南州廳)
住所:台南市中西區中正路1號
開館時間:9:00~18:00(月曜定休)
【館内ブランチ店】
Minimou Brunch
営業時間:9:00~18:00(月曜定休)
3.歴史建築と美術館の美しき融合~ 台南市美術館1館
2019年、大型の歴史建築が現代に蘇りました。それが「台南市美術館」です。この美術館は2館に分かれていて、そのうち1館と呼ばれる建物が、日本統治時代に建てられたものなんです。1931年に落成した旧台南警察署が前身で、戦後も台湾政府の警察署として使われてきましたが、1998年に台南市の古蹟に指定され、警察が移転した後、市の美術館としてリニューアルオープンしました。
歴史建築の奥には現代建築?!
内部は、歴史建築を修復した部分と、新たに建設した部分に分かれ、これらが回廊を通じてうまく融合しています。美術作品を展示するのは、作品を保護しやすい新設部分、そこに至る回廊に歴史建築を使うことで、美術作品と歴史建築の両方を一気に楽しむことができます。この方式は嘉義市立美術館でも使われており、今後の同様のケースが出てくるかもしれませんね。
台南市美術館1館 (旧台南警察署)
住所:台南市中西區南門路37號1室
開館時間:10:00~18:00(月曜定休)
【館内カフェ】
RIVIVAL COFFEE ROASTERS/温故知新咖啡館
営業時間:10:00~18:30(月曜定休)
4.台湾の裁判や司法行政が学べる歴史建築~ 司法博物館
林百貨から南に歩いて10分足らずの場所に、壮麗なバロック様式の洋風建築があります。こちらが「司法博物館」で、日本統治時代には台南地方法院と呼ばれていた建物です。旧台南地方法院は1912年に建てられた法曹系の建築物で、戦後も台湾政府の裁判所として長らく使われていました。裁判所は2001年に安平區に移転。この建物は国定古蹟に指定され、台湾の司法全般の歴史が学べる博物館として2016年にリニューアルオープンしました。
充実した展示で台湾の司法の歴史がたっぷり学べる
内部はとても広く、エントランスのドーム屋根の美しさに、まず驚かされます。館内には裁判所の歴史を展示するコーナーや、実際の法廷の様子を再現した部屋があります。ドームの左側には奉安所もあり(現在はメディアルームになっています)、その奥には、かつての拘留所も残されています。見るべきものが多すぎて、一周するだけでも1時間はかかりそうですが、それだけ時間を価値がある施設だと思います。
台南司法博物館 (旧台南地方法院)
住所:台南市中西區府前路一段307號
開館時間:9:00~17:00(月曜定休)
5.現役の消防署が歴史建築?!~ 台南市消防史料館
台南中心部の湯徳章紀念公園のある円環(ラウンドアバウト)に面した、塔がある洋式建築。台湾文学館とは道路を挟んで向かい側に位置するこの建物は、台南の消防署です。しかし、消防署として使われているのは一部分で、塔がある部分については、「台南市消防史料館」になっています。この建物はもともと、日本統治時代に建てられた「台南合同廳舎」でした。こちらも市の古蹟に指定されて、現役の消防署として活躍しています。その一方で、日本統治時代からの消防の歴史を学べる資料館が併設され、最上階では、2016年2月6日に発生した、台南地震の災害救助の様子も展示や映像で学べるようになっています。
この建物は、近年台南の旧正月の恒例行事となった燈會(ランタン祭り)にあわせて、期間中に建物の一面前部にランタンが飾られます。
台南市消防史料館 (旧台南強合同廳舎)
住所:台南市中西區中正路2-1號
開館時間:10:00~16:00(月曜定休)
さいごに
いかがでしたか?これらの5軒の施設が、互いに徒歩10分以内の距離にあるなんて、驚きですよね。最後にアクセスのご紹介ですが、一例として、林百貨へ行くのに便利なバス路線を紹介します。台南駅前のバスターミナルから、以下に紹介するバスに乗っていくと比較的便利です。全部丁寧に見学しようとすると半日はかかる大物観光施設の数々。まずは興味のあるスポットを選んで訪れてみて下さい。館内のカフェ・ブランチショップも素敵です。町歩きの休憩スポットとしても活用してくださいね。(最後の写真は、「台南市消防史料館」の全景)
藍幹線・安平工業区行き
→林百貨(忠義路)下車
1番・崎漏電信局行き
7番・台糖安南學苑行き
19番・原住民文化會館行き
紅幹線・安平工業區行き
→林百貨(中正路)下車
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