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目次
はじめに~九份に観光客が戻ってきた!
コロナによる行動規制もほぼなくなり、海外からの旅行客も支障なく台湾に来られるようになった今、九份を訪れる外国人観光客が激増しています。この3年くらいは閑古鳥が鳴き、どうなることかと思っていましたが、規制の緩和とともに少しずつ昔の賑わいが戻ってきたようです。
コロナ前に九份を旅行したことがある人は、老街周辺の大混雑を記憶しているかもしれません。かつてのような賑わいが戻ってきたら、時間帯によってはまた観光客で溢れかえるかもしれません。でも、九份の魅力はレトロな階段付近の景色だけではありません。中心部を少し離れると、歩きやすくてレトロな雰囲気を満喫できるスポットがたくさんあるんです。今回は、そんな九份のおすすめの穴場を紹介していきます。(トップ写真は、人気スポット「阿妹茶樓」)
1.九份では軽便路の散歩が面白い〜 懐かしい雰囲気の道をのんびり歩いてみる
九份で一番有人気のある老街は、正式名称を基山街といいます。この通りは、昔懐かしい小さな店が連なり、九份を代表する見どころになっています。でも、あまりにも人が多いと、風情を感じる余裕がなくなりますね。
今回取り上げるのは、基山街から一段低い場所を貫く小さな通り「軽便路」です。日本統治時代の九份は炭鉱で栄えていました。そのため、採掘した石炭を運ぶための軽便鉄道が敷設され、その跡が「軽便路」として今でも使われています。基山街のようなにぎやかな老街はできませんでしたが、今では道の両側にさまざまなお店が点在するようになり、九份の隠れた散歩ルートとして親しまれています。
まずは、九份老街のバス停から坂道を降り、小さな廟まで着いたら、そこが軽便路のスタートです。道は、山の斜面に沿って、くねくね曲がっており、とても風情があります。もともと軽便鉄道が通っていたせいか、高低差があまりなく歩きやすいのは嬉しいですね。
途中何軒もカフェや雑貨などのショップがあり、どの店もちょっと入ってみたくなります。道沿いの建物も苔むした雰囲気がいい感じです。九份は雨が多い地域として知られているのですが、雨の日の軽便路もしっとりとした感じで案外良いです。晴れても、雨が降っても楽しめるルートなのが、軽便路の強みでもあります。
1)炭鉱町時代の九份の賑わいを感じさせる劇場跡〜 昇平戯院
では、軽便路にあるみどころをいくつか紹介してみましょう。
軽便路と、赤い提灯が連なる豎崎路の階段がぶつかる、九份でも最もにぎわう場所にやってきました。ジブリ映画の雰囲気に似ているということで一躍人気が出た場所で、今や台湾を代表する景勝地になりました。
この広場の一角に昇平戯院があります。ここは日本統治時代の1934年に建てられた劇場で、当時は台湾で最大の劇場だったそうです。全盛期にはたいへんにぎわいましたが、炭鉱の衰退にともない、1986年に閉館。その後、修復を経て歴史建築に指定され、現在では内部が一般公開されています。
近年、九份が舞台となった名作映画「悲情城市」が再上映され、九份が再び脚光を浴びていますが、昇平戯院の内部には、 悲情城市をはじめとする台湾の名作映画をモチーフにした展示があり、館内全体が懐かしい雰囲気に包まれています。
昇平戯院
住所:新北市瑞芳區輕便路137號
開館時間:9:30~17:00(土日のみ~18:00、無休)
2)時代に流されない隠れ家カフェ〜 轉角
軽便路をさらに進むと、徐々にお店も減り、静かな雰囲気になります。ところどころ見える雄大な景色を眺めているうちに、レンガ造りの小さな建物に出会います。目立たないため通り過ぎてしまいそうなこの建物は、カフェ「轉角」です。
店内は、最近はやりのリノベカフェとは違い、30年~40年くらい前の時代の雰囲気をそのまま保っています。コーヒーは、アメリカンやラテのみ。どちらかというと日本の喫茶店の雰囲気に近いかもしれません。面白いのは、石花凍という台湾では比較的メジャーなデザートが食べられること。程よい酸味が町歩きの疲れを取ってくれます。カフェにしては珍しく、炒飯もメニューにあるのも面白いです。
食後は、裏庭から九份の絶景をどうぞ!
食後は、お店の裏庭を見せてもらいましょう。ここでは、他の観光客グループに邪魔されることなく、心置きなく九份周辺の美しい風景を楽しむことができます。九份の隠れ絶景ポイントと言っても良いかもしれません。
轉角
住所: 新北市瑞芳區輕便路322號
営業時間:10:00~18:00(無休)
基山街と軽便路が合流する
「轉角」から少し歩くと、ゆるい坂になって下りてきた基山街と合流します。この辺りまで来ると基山街も静かな住宅街になっており、落ち着いて散策できます。よく見ると、何軒かは民宿になっています。最近は、九份に泊まってゆっくりと街の雰囲気を楽しむ人が増えているようです。日程に余裕があったら、九份に一泊するのもおすすめです。
3)九份の町はずれにある古いトンネル
軽便路をさらに進んでいくと、民家が少なくなってきます。小さな公園(ここからの眺めも良いです)を過ぎると、古いトンネルが見えてきます。このトンネルは、もともと軽便鉄道用に掘られたトンネルで、乗用車やトラックだとすれ違えないくらいの狭さです。かつて、このトンネルを通ってたくさんの石炭が運ばれていったかと思うと、少し不思議な気持ちになります。
トンネルを抜けると、もう民家がなくなり、急な下り坂が始まります。ここから坂を下って、七番坑バス停まで行くも楽しいですし、引き返して、基山街を歩いてみるのも良いでしょう。
九份山磅坑口
住所:新北市瑞芳區輕便路350號付近
開館時間:24時間
2.番外編グルメ情報〜 九份のはずれでおいしい芋圓屋さんを発見!
軽便路をずっと下って汽車路に合流する地点まで下りると、すぐ近くにレトロな雰囲気の小さなスイーツ店があります。それが「九份賴阿婆芋圓」です。九份へ上っていく坂道の汽車路の途中にあり、何となく峠道の茶屋のような雰囲気。このお店で扱っているのは、芋圓など台湾の伝統的なスイーツ。今回は、1人前50元の「総合芋圓」にトライしました。芋圓は何個も入っていて、しかも大きめ。量も多くて、味もしっかりしており、小腹を満たすのにちょうどよい感じです。
レトロな内装や古い品物にもご注目
「賴阿婆芋圓」という名前のお店は、基山街の一番にぎやかな辺りにもありますが、何となく「九份~」のほうが、味が濃厚で個人的にはこちらの方が気に入りました。基山街のお店ほど混まないので、ゆっくり芋圓を味わいたいときには「九份~」もかなりおすすめです。お店は、七番坑バス停の目の前にあるので、九份老街まで行く手前で途中下車するのも可能です。
建物やインテリアにもご注目ください。外観も古いですが、お店の内部には所狭しと、昔の調度品が展示されており、ちょっとしたレトロ資料館のようになっています。
九份賴阿婆芋圓
住所: 新北市瑞芳區汽車路155號
営業時間:8:00~18:00(火曜定休)
番外編 グルメ情報その2〜 基山街でお土産を買うなら「阿蘭草仔粿」がイチオシ
せっかくですから、基山街のお店も紹介しましょう。九份の基山街では、所狭しと飲食店が土産物店が立ち並んでいますが、その中でも手軽に買えて、台北に持ち帰ってからゆっくり食べることができるのが、阿蘭の草仔粿です。見た目が草餅のようですが、中のあんの部分が甘いものだけでなく、塩気のあるものもあり、お好みに応じて好きな種類を買って帰ることができます。このお店は、行列ができることが多いのですが、次々と草仔粿が売れていくので、待ち時間は思ったほど長くなりません。
阿蘭草仔粿
住所: 新北市瑞芳區基山街90號
営業時間:9:00~19:00(無休)
さいごに
いかがでしたか。最近では、週末を中心に賑わいを取り戻してきた九份。交通アクセスは以下のものがおすすめです。上手に計画を立てて、人気観光地の穴場巡りを楽しんでください。
〇台北市内から直行バスを利用
・MRT忠孝復興駅から1062バスに乗る
・MRT北門駅もしくは西門駅から965バスに乗る
〇台湾鉄道とバスを乗り継ぐ
・台湾鉄道で台北から瑞芳まで行き、そこから九份方面行きのバスに乗る
※週末の夕方から夜にかけては、帰りのバスが九份老街バス停で満席になり乗れないことがあります。次のバスまで待たなければならないこともあり得るので、時間に余裕をもって台北へ帰る計画を立てることをおすすめします。
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