【 金門島 / 台湾 金門 / 金門模範街 / 清金門鎮總兵署 / 莒光路老街 / 金門第一味 / 巧味香 / 傳記廣東粥 / 小島商號 】
目次
はじめに
みなさんは、金門島へ行ったことがありますか?台湾人でも訪れる人がまだまだ多くない金門島。一定以上の年齢の男性なら、兵役で配属された島としての思い出の方が強いかもしれません。そんな金門島は、中国・アモイの対岸数kmの場所に位置する比較的小さな島です。戦後長らく軍政下にあり、観光客が訪れるのが難しい時期が続いたのですが、1992年に島の戒厳令が解除されて以来、観光スポットなどの整備も進み、観光客の数も次第に増えてきました。
そんな金門島は、中国との軍事的緊張が続いた時期の軍事遺構がたくさんあることで知られていますが、それだけでなく、素朴なローカルグルメや伝統家屋が残る集落がいくつも点在するかなり面白い島なんです。今回はまず、金門までのアクセスや島最大の町・金城の老街歩きを中心に島の魅力をご紹介したいと思います。(トップ写真は、金城の旧市街の中心にあるローカル小吃「巧味香」)
1.まずは金門島へのアクセスからご紹介します
台湾旅行をした方でも、台湾の離島を訪れた方はまだ少ないと思いますが、実は島へのアクセスは案外良いです。基本的には飛行機で金門に飛ぶことになりますが、出発地は台北(松山)だけでなく、台中・高雄・台南からも毎日定期便が出ていて、台北以外からも比較的容易にアクセスできます。フライト時間は1時間前後。離陸したと思ったら、あっという間に金門島に到着です。金門へのフライトは、ATR72というプロペラ機が中心。とても小さな飛行機で、それがかえって離島への旅の期待を掻き立ててくれます。機内でジュースなどのドリンクサービスがあるのもうれしいですね。
朝から夜までフライトがあるので、台湾各地から週末に1泊2日で訪れても、それなりに見どころを見て回ることができますよ。
2.金門島最大の町・金城で老街さんぽを楽しむ~まずは街の看板通り・模範街から
金門島は人口約14万人。コロナ前までは、中国との経済・観光交流の盛んで、人口も増加傾向にあります。とはいえ、金門は全体的にはのんびりした雰囲気の島で、最大の町(鎮)の金城の中心地も、高層ビルもほとんどなく、かなり静かな町です。
そんな金城の旧市街は老街になっており、観光客に一番知られているのは「模範街」と呼ばれる通りです。金門島で観光名所となっているスポットの多くは、1920年代、1930年代に建てられたり、整備されたりしています。こちらの模範街も、1924年から地元の有力者の力で整備が始まり。1階が洋館、2階が閩南式というつくりのレンガ造りの商店街が完成しました。台湾島に多く残る日本統治時代の洋風建築ともかなり似た雰囲気を持つこの通りは、金門観光の必須ポイントになっていますが、現在は、中国からの観光客がかなり減ったため、通りは比較的静かです。
それでも、レトロな街並みや商店の風景を眺めながら散歩するのはとても楽しく、夜になるとランタンによるライトアップも楽しめますよ。
金門模範街
住所:金門縣金城鎮模範街
24時間アクセス可能
金門の歴史を見守ってきたかつての役所~總兵署
金門老街エリアの歴史的見どころといえば、まずは總兵署が挙げられます。この場所はもともと、明代に「叢青軒」という、科挙を受けるための学生が勉強する場所だったのが、その後、増大する金門の兵力を収容するための施設「總兵署」となり、今では、金門の長い歴史を実感させる歴史施設として一般に公開されています。金門の歴史についてもかなり充実した展示が見られるので、まずはここで金門の歴史を予習するのも良いでしょう。
この施設は、毎日夜19:30になるとナイトツアーが開催されます。中国語オンリーですが、興味のある方はどうぞ。ツアーに参加しなくても、内部は夜になっても自由に参観できるので、中心部で夕食をとったら、こちらで夜のさんぽを楽しむのも良いでしょう。
清金門鎮總兵署
住所:金門縣金城鎮浯江街53號
開館時間:9:00~22:00(無休)
老街歩きは夜もおすすめ~莒光路老街
金城の老街はいくつかの部分に分かれており、模範街から少し離れた通り「莒光路」付近も、素朴でレトロな通りになっています。この辺りは、昼間から飲食店などが賑わっているのですが、夜になると雰囲気が変わり、おしゃれな飲食店街やバーなどが店を開けます。再開発されたエリアは、若者向けの飲食店・ショップなども増えていますが、模範街の方に少し戻ると、そこは50年くらい前?の台湾の路地の光景が展開しており、日本人でも不思議な懐かしさを覚えると思います。
莒光路老街
住所:金門縣金城鎮莒光路一段付近
時間:24時間アクセス可能
3.老街の個性的なグルメ3選~まずは牛肉麺から
さあ、金城のローカルグルメも楽しみましょう。金門グルメで有名なのは、何といっても牛肉麺です。金門の酒粕で育った黄牛は、柔らかくてジューシー。街にはたくさんの牛肉麺のお店があり、気軽においしい牛肉麺をいただけます。有名店も何軒かあるのですが、今回はローカル色たっぷりの食堂にお邪魔しました。
「金門第一味」という自信たっぷりの名前の食堂で、とても豪華な「三寶牛肉麺」を注文しました。200元と少し高めですが、普通の牛肉だけでなく、牛筋と牛肚も加わった豪華な麺。肉もおいしくて、ボリュームたっぷり。とてもぜいたくな気分になれました。
金門第一味
住所:金門縣金城鎮浯江街13號
営業時間:11:00~14:00、16:30~19:30(無休)
カキたっぷりの蚵仔麺線
金門老街の中心部にあるローカルの小吃「巧味香」。ここは、蚵仔麺線などで人気のお店。カキも金門の特産品の一つなんですね。あまり広くない店内は、食事時にはお客さんでいっぱいになります。看板料理の蚵仔麺線は、カキがたっぷりはいって、台北辺りの麵線とは比べ物にならない量です。昼ごはんなら、これ一品で満腹になれそうです。
巧味香
住所:金門縣金城鎮莒光路一段39號
営業時間:7:00~13:30、16:00~19:00(水曜定休)
金城老街は朝ごはんも強烈!
素朴だけでリーズナブルな小吃が目白押しの金門・金城老街。朝ごはんも実力派が勢ぞろいです。今回お世話になったのは、こちらの「傳記廣東粥」です。こちらもかなり古めの小さな小吃ですが、朝早い時間からおいしい朝食を食べようとたくさんのお客さんが訪れます。ここで食べたいのが、看板料理の廣東粥。一見すると普通の廣東粥に見えますが、これが海鮮なども入って、とても具だくさん。お粥というとちょっと薄味の印象が強いのですが、ここのお粥はしっかりした味わいで、朝から幸せな気分になれます。おすすめは、油條を一本たのんで、これをお粥に浸して食べること。これだけで朝から満腹になれます。
面白いですね。どの料理も、台北辺りで普通に食べられるのに、なぜだかちょっと違う料理を味わっているように感じられます。老街だけで朝昼晩とお手軽グルメをたっぷり楽しめる、金城老街。街歩きだけでなく食も魅力的ですよ。
傳記廣東粥
住所:金門縣金城鎮莒光路一段50號
営業時間:6:00~12:30(日曜定休)
4.おしゃれカフェも登場しました!
金門は古い見どころばかりで、おしゃれなスポットがない、と感じる人もいるかもしれません。でも、少しずつですが若者が経営する飲食店やカフェも見かけるようになりました。今回訪れたのは、バスターミナルから徒歩3分くらいで行ける「小島商號」です。街の中に溶け込むように建っている小さなカフェ。お店の正面には窓がなく、オープンな感じがします。ここでは偶然にも、台東で出会った「流涙谷咖啡」に出会い、もちろん迷わず注文。豆にこだわるお店が金門にも登場しているんですね。おいしいコーヒーが恋しくなったら、こちらでひと息つくのもよいでしょう。
いかがでしたか?台北や高雄では味わえない独特の魅力がいっぱいで、実は多くの方に訪れていただきたいと思っています。次に金門を紹介するときは、いよいよ金門観光のメイン・数多くの軍事遺構を紹介しようと思います。
小島商號
住所:金門縣金城鎮中興路205巷10號
営業時間:10:00~18:00(無休)
さいごに~老街さんぽは昼も夜もおすすめ!
いかがでしたか?台湾に住んでいてもなかなか入ってこない金門島の観光情報。最近の、若者向けのおしゃれなスポットとはちょっと異なりますが、日本で言えば昭和の香りが色濃く残る懐かしい雰囲気が、ここ金城ではまだまだ楽しめます。見どころ以外の路地も気ままに歩いてみたくなる魅力いっぱいの楽しい町です。ぜひ、少し長く休みが取れたら、金門島にも足を運んでみて下さい。(最後の写真は、莒光路老街の派手なライトアップが見られるエリア)
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