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台湾での Uber を初体験!
台湾でサービスを開始していた Uber は数年前、台湾で規制されたという報道を目にしていたため、その後も使えないものと思い込んでいました。今回、高雄で初めてUberを利用し、その利便性の高さに感動するとともに、台北でも何度か利用してみました。
Uberのアプリをダウンロードしてユーザー登録とクレジットカード登録を済ませます。配車をお願いしたい場合は、今の場所と行き先を入力すると、予測到着時間と料金が表示され、周囲に何台のドライバーがいるかが分かります。配車ボタンを押すと、このうちのドライバーの1名とマッチングされ、「2〜3分で到着します」というふうに表示された上で、地図上でドライバーがいまどこにいるのかがリアルタイムで確認できます。高雄でも台北でも、平均して「2〜5分」で普通車に乗ったドライバーが到着しました。
乗ってみると、大抵は若いドライバーで礼儀正しく、車内はきれいで清潔。運転も静かで、粗い運転をする人はいません。 Uber のシステムは、顧客が運転手を5つ☆で評価するのと同時に、運転手も顧客を評価する「相互評価」を実施しています。運転手は低い評価ポイントが続くと、乗車できなくなるそうです。
もう一つ、旅行中の外国人にとって便利なのは、言葉が話せなかったとしても、既に行き先も料金も決まっているため、必ず目的地に辿り着けることです。決済はすべてクレジットカードなので、支払の際のトラブルも起こりません。
いやいや、言葉の壁やトラブルも含めて、現地で体当たりしてこその海外旅じゃないか!という声もあるかもしれません。よく分かるー。私もそう思ってきました。でも海外旅行でのタクシーって、けっこうな頻度で嫌な思いもするんですよね。台湾も例外ではありません。運転手さんが道中ずっと友だちと電話していたり、信号停止のたびにスマホでゲームしてたり(笑)。それはそれで別にいいですけど、やっぱり運転が荒い人が多い点、これは危険だしできるだけ避けたい。女性が深夜に一人でタクシーを利用するのも気をつけた方がよいと言われています。
米国で2009年に誕生したUberは、シェアリングエコノミーの成長株として、全世界で注目を集めてきました。世界ではタクシー利用にまつわる問題が少なくなく、Uberは、AIを活用した高い精度での到着時間予測、最適ルート選定、ダイナミックプライシングなどを実現し、一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築しています。もちろんこれまで世界の一部の都市では、いくつかのトラブルも発生しています。ですが、Uberの相互評価の仕組み自体が、こうしたトラブルの発生を最小化しているのも事実です。
5人のUberドライバーにヒアリングしてみた!
毎度の台湾旅行を中国語学習の「短期留学」と考えている私は、タクシー運転手さんに話しかけることが多いです。でもさっき言ったような理由で、なかなか会話が成立しないこともある。その点、Uberのドライバーさんとは、毎回いろいろな会話をすることができました。
Uber での仕事については、「けっこう稼げますよ」との回答。台湾での若い人の平均月収は3〜4万元程度(約11万〜14万円)と言われていますが、その倍くらいは稼げるそうです。ですが個人事業主のような形態だし、リスクもある。しかも1日10時間くらいは車に乗っているそうです。自分の選択次第ということになりますが、既存業界を守るだけでなく、こういう若い人たちの職業の選択肢が増えるのは、悪いことじゃないように思います。
台湾でのUberのドライバーは、タクシー会社のサービス(Uber Taxi)と、個人で加盟するサービスとがあるそうです。私が今回利用したのはこの個人運転手のサービスで、「 UberX 」と呼ばれています。個人の場合でも、今は政府への登録が必要なそうです。日本のタクシードライバーは「第二種免許」が必要です。
UberXに乗車すると、自分宛にUberからメールが届きます。そこには、以下のように記載されていました。
The Taiwan government requires Uber to provide you with a car rental notification when you request a ride via the Uber app. This is not a receipt.
提醒您,此交易由境外銀行為刷卡收單,屬「境外交易」,需支付國際交易手續費。
為了配合政府法令,汽車運輸業管理規則101條,載明租車人應隨身攜帶汽車出租單以備查驗。即日起,您的每一趟行程會收到兩封Email:
- 於預約行程確認後,平台將立即寄送此電子出租單到您註冊帳號的Email信箱,本信件同時也作為租賃車行電子出租記錄簿留存。
- 行程結束後您也會立即收到一份包含詳細行程路徑、費用的電子明細做為備存。
この乗車は国際取引であるため、クレジットカード決済額には国際取引手数料なるものが含まれているようですね。また、個人ドライバーのようですが、それぞれどこかのレンタカー会社がサービス提供主体になっているようで、レンタカー会社の情報などが記載されています。
高雄のドライバーさんが政府登録証みたいなものを見せてくれて、「でも今後、新たな規制でコストが高くなってしまう」というようなことを言っていたのですが、台湾政府による以下のような動きを指していたのかもしれません。
●ウーバー規制、6月から 運転手抗議、タクシー業界は歓迎/台湾(フォーカス台湾、2019年5月29日)
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201905290007.aspx
ヒアリングした5人のドライバーのうち、3人が日本に行ったことがあると言っていました。これまでタクシーのドライバーさんで日本に行ったことがある人はほとんどいませんでしたので、かなり高い率です。ですから日本についても、いろいろ質問されましたが、やはりみなさん同業ゆえ、「日本ではUberは使えるのか」という質問が多かったです(笑)
日本における Uber の状況
Uberは日本に参入したものの、規制の壁にはばまれました。日本では自家用車を用いたライドシェアは、道路交通法により「白タク行為」として禁止されています。2018年に民間からの規制緩和要請があったものの、政府は基本的には容認しない姿勢を変えていません。
Uberは現在、東京ではハイヤーのみの配車を行っています(Uber Black)。今回初めて知ったのですが、一部地方都市ではタクシー会社と組む戦略に方針展開し、サービスを提供しているそうです(Uber Taxi)。2019年内には東京でも提携タクシー会社によるサービスを開始する見込みとのこと。あくまでタクシーの配車サービスということになりますけどね。
試してみる価値は大あり!
UberX は、台湾のどこでも使えるわけではないそうです。Uberのホームページ情報によると、台北、桃園、新竹、台中、高雄で対応しているとのこと。ちなみに料金的には、もともと台湾のタクシーは日本と比べると圧倒的に安いため、UberXの料金もそれほど大きく変わらない印象です。ただし朝夕など利用客が多い時間帯は、ダイナミックプライシングにより値上がりします。確かにどの国でもタクシー業界で生計を立てている人たちが大勢いるわけで、簡単にUberを導入するわけにはいかない事情も分かります。でも今回初めて利用してみて、このようなイノベーションの波は、どの国も都市も規制すればOKという事態では既にない、ということを強く実感しました。ぜひ皆さんもいろいろな移動手段を試してみてください!
https://www.uber.com/global/ja/cities/taipei/
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