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目次
はじめに~無名の芸術品・湖口老街
台北の郊外には、昔懐かしい風情を残す老街がたくさんありますね。その中でも、特に街並みが美しい老街といえば、新竹県の湖口老街が挙げられると思います。でも知名度は三峽や大溪に比べるといまいち低いようです。今回は、このまだまだ広く知られていない素敵な老街を紹介したいと思います。(トップの写真は湖口老街の街並み全景、下の写真は芋泥の屋台の自転車です)
1.とにかく美しい騎樓
湖口老街にやってきてまず目に入るのは、ずらりと並んだレンガ造りの建物。カフェや食堂、お土産屋さんなどがずらりと並んでいますが、一つ一つのお店が派手な主張をせず、ひっそりと店を構えている雰囲気が漂います。この老街での一番の見どころは、何と言っても騎樓です。
騎樓とは、通りに面した建物の1階をアーケードにして、雨の日でも通行しやすくしたもの。レンガ造りのバロック風洋風建築でも人通りが多いメインストリートでは、騎樓の構造を持つ場所がたくさんありました。近代化に伴って、徐々に騎樓は減っていきましたが、ここ湖口では、美しいレトロな騎樓がきれいに残されています。
老街のメインストリートは、どこを切り取っても絵になる風景が広がり、ここを訪れる観光客も、ゆっくりと老街のレトロな風景を楽しんでいます。老街自体はそれほど長くないので、ここに来たらぜひ2往復は歩いてみてください。有名な老街に比べて人通りも少なめなので、のんびりと街歩きを楽しめると思います。
2.街の栄枯盛衰を見つめ続けた廟~湖口三元宮
老街の入口にあるのが、湖口三元宮。日本統治時代が、老街の栄枯盛衰をじっと見つめ続けてきました。廟の前にはいつもたくさんの屋台が並んでおり(ただし、のんびりしたお店ばかりです)、それらのお店を覗くのも楽しいですね。
現在、湖口老街がある地区は「老湖口」と呼ばれています。かつてこの町には、鉄道の駅がありました。開業は1893年。日本統治時代が始まる直前のことです。ところが、1929年に鉄道路線の大幅な変更に伴い、鉄道駅は現在の台鉄湖口駅へと場所を移し、老湖口は時代の発展から徐々に取り残されるようになります。
湖口三元宮も、この町に鉄道駅があった1919年に建立されました。それ以来100年以上にわたって、この町の発展と衰退そして復活を見つめ続けてきました。廟の前には、週末ともなるとたくさんの屋台が並んでおり(のんびりした感じの屋台が多いです)、それらのお店を覗くのも楽しいですね。
湖口三元宮
住所: 新竹縣湖口郷湖口老街278號
開館時間:5:00~21:00(無休)
3.お一人様でも客家料理を楽しめる食堂を発見!
湖口は客家人が多く住む町です。そのため、老街にも何軒か客家料理のお店があるのですが、客家料理は基本的に大皿料理ばかりなので、一人旅だと食べるものに結構困ってしまいます。その中で私がおすすめするのが、「百年歳月」という客家料理店。ここにはなんとメニューには書いていない裏メニューがあり、客家料理のおかずにご飯やスープなどがついて一人前150元。これは一人旅や色々なおかずを少しずつ食べたいときには便利ですよね。おかずを選べることもあるので、お店の人に聞いてみるとよいでしょう。
百年歳月創意餐坊
住所:新竹縣湖口郷湖口老街163號
営業時間:9:00~21:00(無休)
4.客家ならではのおやつpart1~腳踏車芋泥
湖口老街で一番目立つ屋台が、こちらの「腳踏車(自転車)芋泥」です。芋泥とは、タロイモをペースト状にしていただく昔ながらのスイーツです。自転車型の屋台で作ってもらえる、素朴な味わいの芋泥がたっぷり入って1カップ50元。腹持ちが良いので、一人分を食べるだけでかなりお腹が満たされます。屋台正面の商店の軒先にいくつか椅子が用意されていて、座って食べることもできますよ。
腳踏車芋泥
住所: 新竹縣湖口郷湖口老街207號
営業時間:10:30~18:00(金土日のみ、金曜は~17:30)
5.客家ならではのおやつpart2~牛汶水の屋台を発見!
今回老街を訪れて気づいたのが、牛汶水を出している屋台が新たに開店していたことです。牛汶水とはお餅の一種で、客家の農家ではおなじみの伝統的なおやつですが、実は台湾でもなかなか見る機会がなく、私は今まで桃園市の三坑老街でしか見たことがありませんでした。それが今回、湖口老街を散歩していると、「牛汶水」の看板を発見。迷うことなく屋台の席に座りました。
出てきたのは、三坑で食べたものと同じ牛汶水でした。素朴な味わいで気軽に食べられるので、こちらもぜひ試してください。屋台がある場所は、「湖口風情」という食堂の通りに面した部分。老街を歩いていると簡単に見つかります。
牛汶水の屋台(レストラン「湖口風情」の店先)」
住所:新竹縣湖口郷湖口老街155號
営業時間:不定(土日の午後は営業していると思われます)
6.老街にはレトロカフェが似合う~ 得趣堂幸福家咖啡
最近は、どの老街に行ってもカフェを見かけるようになりました。湖口老街にも何軒かのカフェがありますが、その中でも特色があっておすすめしたいのが、「得趣堂幸福家咖啡」です。こちらは、昔ながらの古い建物の中でアンティーク系の雑貨店を営んでいるのですが、店先がカフェになっており、こだわりのコーヒーを楽しむことができます。
おかみさんはとても気さくで親切な方。次々とおなじみのお客さんが現れては、買い物をしたり、おすそ分けを持ってきたりして、地域に根差したお店であることがよくわかりました。実は、百年歳月の裏メニューも、このお店で教えていただいた情報なんです。台湾でも比較的珍しいラオスコーヒーを仕入れていて、老街に面した軒先でおかみさんが丁寧にドリップしてくれます。コーヒーの値段も安くて、とても良心的なお店です。
得趣堂幸福家咖啡
住所:新竹縣湖口郷湖口老街156號
営業時間:10:30~18:30(土日のみ)
7.街のはずれにひっそりたたずむ洋館~八角樓
湖口老街は、意外なことにすぐ裏手を高速道路が通っており、老街を離れるとひっきりなしに車が高速で通過していく音が聞こえます。この高速道路の下をくぐり、集落の中心を離れると、忽然とこのような立派なレンガ造りの洋館が見えてきます。これが八角樓。日本統治時代の1920年に建てられたもので、今では地元の役場が保存に乗り出し、歴史遺産として公開されるようになりました。
何の変哲もない田園地帯の中にひときわ目立つ洋館。老街から歩いて10分くらいで行けるので、余裕があったら足を延ばしても良いでしょう。
湖口大窩口八角樓
住所:新竹縣湖口郷湖新路
開館時間:11:00~17:00(木金土のみ)
さいごに(アクセス情報)
いかがでしたか?街歩きの行き先としてもかなり魅力的な湖口老街ですが、実は交通アクセスがあまり良くありません。台鉄に湖口駅があるのですが、現在の鉄道駅から老街までは歩いて30分以上かかります。バスも走っていますが本数が少なく、タイミングが悪い時は、駅からタクシーに乗ったほうが確実です。帰りの足も、訪れたカフェや食堂などにたのんでタクシーを呼んでもらったほうが良いでしょう。
逆に言えば、アクセスが良くないことから、非常にきれいな老街が残っているとも言えそうです。少し余裕を持ってお越しいただくのが良いと思いますが、街並み散策を満喫できる湖口老街にも、機会があったら是非一度お越しください。
最後に、湖口老街を訪れるなら、断然週末をおすすめします。というのも、多くのお店が土日のみの営業になっており、平日に来てもお目当てのお店に行けない可能性が高いからです。(下の写真は、牛汶水の屋台がある歴史建築「復興戯院」。今は建物の内部が「湖口歳月」という商店になっています)
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