【屏東県 竹田】日本と台湾をつなぐ小さな図書館がある町!

【 屏東県 竹田 / 竹田驛園 / 池上一郎博士文庫 / 驛前大和頓物所 / 豐明園 / 伯公麵店 】

はじめに

みなさんは、台湾の屏東県に「竹田」という町があるのをご存じですか?屏東県の農村部にある小さな町なのですが、日本統治時代の駅舎を保存して、観光スポットとして活用するだけでなく、駅の隣に、日台交流の拠点ともいうべき、個性的な図書館があるんです。今回は、台湾の小都市の中でもちょっと個性が際立つ竹田の町をじっくり散策してみようと思います。(トップ写真は、旧竹田駅舎)

1.竹田のシンボル~鉄道の旧駅舎

台湾鉄道の竹田駅は、ホームが高架化され、現代的な雰囲気があります。しかし、階段を下りて、改札を抜けると、そこにはレトロな別の駅舎があります。これが、竹田駅の旧駅舎で、1939年に建設されました。それ以来、鉄道が高架化されるまでは、現役の駅舎として活躍していました。その後、駅舎が高架化に移転した後は、地域の観光案内所として活用されるようになり、鉄道に乗ってくる人もそうでない人も、ここでひと休みしたり、記念撮影をしたりして、ひと時を過ごしています。

町の観光のシンボルになっています

さて、この竹田の町ですが、昔から竹田を名乗っていたわけではありません。清代には頓物(客家語で米の集積所という意味だそうです)という地名でした。これは、竹田がかつて水運の拠点で、周辺の物資の集散地だったことから、ついた名前だそうです。それが、日本統治時代の1920年になってから、もっとわかりやすい地名に変えようということで、日本の地名である「竹田」が採用されました。

そんな様々な歴史を持つ竹田の旧駅舎の前の広場では、週末になるとミニマーケットが出現して、農産物や地域の特産品などが売られています。もっとも、有名観光地のように大混雑するわけではないので、のんびりした雰囲気を楽しめますよ。

竹田驛園

住所:屏東縣竹田鄕豐明路23號
開館時間:9:00~17:00(無休)

2.一度は訪れたい日台交流の小さな拠点~ 池上一郎博士文庫

レトロな旧竹田駅舎の隣に、これまた古い木造の建物があります。これが「池上一郎博士文庫」といい、この地で20年以上にわたり、日本語書籍の貸し出しを行っている「アジア最南端の日本語図書館」なんです。なぜ、屏東の小さな町・竹田にこのような施設ができたのしょうか。

そのきっかけは、日本統治時代にさかのぼります。太平洋戦争真っただ中の1943年、竹田の地に赴任した軍医がいました。彼の名は池上一郎。彼は終戦まで竹田で地域住民の医療に尽力し、村人からも大変慕われる存在だったそうです。終戦とともに池上氏は日本へ引き揚げ、その後、この地を再び踏むことはなかったのですが、晩年になり、日本語世代の人々のために多数の書籍を寄贈したことがきっかけとなり、2001年に池上文庫が開設されることになったのです。今では、小さな文庫に入りきれないほどの日本語書籍が多くの人から寄贈され、ジャンルを問わず、多彩な日本語の本が楽しめる個性的な施設になっています。

筆者にとっても現地の方との出会いがあった思い出の地です

実は私も、池上文庫で、竹田に住む方と友人になり、今でも親しくさせていただいています。初めて文庫を訪れたとき、館内で新聞を読んでいた初老の男性に声をかけられたんです。台湾では、本当に気軽に声をかけていただき、そこから長らく交流が続くということも多く、個人的にも台湾と自分を深く結び付けてくれた大切な場所です。

毎年1月に記念祭が開かれています

とはいえ、別にかしこまって訪問する必要はありません。気軽に訪れて、たくさんの日本語書籍をぱらぱらとめくってみたり、文庫の方やたまたま訪れていた台湾の方と交流したり、とても楽しい場所なんです。駅の横にある建物ですから、アクセスもとても良いです。台湾南部を旅行するなら、ぜひちょっと足を運んでみて下さい。

なお、池上文庫では、毎年1月16日の開館記念日付近の土曜日に、文庫誕生日の記念式典が開かれます。当日は、地域の皆さんや日本人の文庫ファンなどが駆け付け、みなさんで日本の昔の歌を歌ったり、みんなで客家料理を囲んで楽しく談笑したりするなど、なかなか楽しいイベントです。どなたでも参加できるので、タイミングが合う方は一度参加するのも良いと思いますよ。私も、何度も参加させていただき、旧交を温めています。

池上一郎博士文庫

住所:屏東縣竹田鄕豐明路23號
開館時間:8:30~11:30(月曜定休)

3.昔の地名を冠した駅前カフェ~ 驛前大和頓物所

竹田の魅力はこれだけでしょうか?いえいえ、竹田もまた街歩きが楽しめる町なんです。まずは、駅前にあるカフェを紹介しましょう。「驛前大和頓物所」は、もともと1942年に建設された「徳與碾米廠」という米の倉庫だった建物を大胆にリノベして作られたレトロカフェです。先ほど説明した「頓物」の名前を使っているんですね。

廃墟寸前だった倉庫の残った部分を生かし、明るく開放的な造りのお店になっています。コーヒーもスイーツもなかなかおいしく、アクセスも良いので、週末ともなると多くのお客さんでにぎわっていますよ。旧駅舎や文庫を訪れた後、ひと休みするにはうってつけのお店だと思います。なお、階段を上がると屋上に出ることができ、広々とした平原が広がる竹田の町の様子を眺めることもできます。(駅舎や文庫を上方から撮影することもできます)

驛前大和頓物所

住所:屏東縣竹田鄕豐明路26號
営業時間:9:00~18:00(無休)

4.竹田駅前にはもう一軒素敵なカフェがある!

竹田を訪れる人の多くは、大和頓物所でコーヒーを飲んでそのまま屏東や高雄に帰ってしまいますが、実はもう一軒、渋い感じのカフェがあるんです。それが「豐明園」です。こちらは、駅から徒歩2分くらいのところにあり、個人のお宅かな?と思える建物をよく見ると、カフェ営業のプレートが見えます。

此方の建物は、一番古い部分で1940年代に建てられ、戦後の増改築を経て、現在のようなスタイルになっています。住宅の主は、屏東県議会第1期の県議・曾勤華。さまざまな時代の建築要素が混ざり合った不思議な雰囲気の住宅ですが、これがカフェとしてリノベされると、大和頓物所とはまた違った趣が感じられます。オーナーさんは大の日本好きで、特に宮本武蔵のファンだとか。そのせいか、日本の甲冑まで飾られています。お話を伺うと、カフェとしての営業は2017年にスタートしたとのこと。それ以来、少しずつファンが増えているようで、Facebookの投稿を見ていると、時折台湾各地からの旅人がお店を訪れている様子が分かります。

どちらのカフェも甲乙つけがたい魅力があるので、竹田にお越しの際は、いずれかお好みのカフェに立ち寄って、のんびりした時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

豐明園

住所:屏東縣竹田鄕豐明路8號
営業時間:14:00~17:30(金曜定休、土曜のみ14:00~17:00)
※オーナーさんのワンオペ経営のため、多忙なときは休みことがあるとのこと。できればメッセンジャーで事前に問い合わせたほうが良い。

5.竹田にも小さな老街がある

竹田の町は、全国的には駅付近しか知られていないのですが、実は小さいながら素朴な老街があります。竹田駅から歩いて10分くらいのエリアが、竹田のもともとの中心街のようで、旧道沿いに時代に取り残されたかのような古い建物が点在しています。

観光スポットになるほど目立つ建物があるわけではないのですが、付近を散策すると、台湾の小さな田舎町の趣を結構楽しめると思います。駅から徒歩圏内にあるので、時間に余裕のある方は、こちらまで歩いてみて下さい。(写真は、老街の中心にある「頓物堂」)

アクセス
6で紹介する小吃のすぐ手前のエリアの通り沿いに古い建物があります。竹田駅からは徒歩8~10分程度

6.廟の中にある客家料理の食堂を発見!

竹田の老街のはずれに、「伯公麵店」という一軒の小吃があります。このお店、ちょっと変わっています。それは、お店が客家の廟の中にあるということ。福徳祠という小さな廟と一体化した形で小吃があり、昼時になると地元のお客さんで賑わいます。混雑すると、廟の中にも座席ができて、なんとも不思議な光景に。メニューは、客家の定番庶民料理が中心で、どれも食欲をそそります。特においしかったのは、湯圓でしたね。どの料理も見た目以上にボリュームがあり、これだけでほぼ満腹になりました。

伯公麵店

住所:屏東縣竹田鄕中正路23號
営業時間:7:00~14:30(土曜定休、日曜のみ~14:00)

いかがでしたか。台湾南部の田舎町に、日本と台湾をつなぐ心温まる集いの場があるなんて、ちょっと素敵ですよね。それ以外にも、街歩きやカフェ巡りもできる楽しい町です。現在は、台鉄の各駅停車が1時間に1~2本走っているので、高雄・屏東からのアクセスも良くなりました。機会があったら、ぜひ竹田まで足を伸ばしてくださいね。

 

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