台湾の眷村〜現代都会のオアシスとして楽しめる空間

【 台湾 眷村 / 台湾歴史 / 台湾建築

眷村についての印象

台湾には、眷村(Juàncūn)と呼ばれるリノベーション施設がたくさん整備されています。眷村というのは中国大陸から台湾にやってきた国民党の軍人たちを住まわせるために、国によってつくられた宿舎群です。そのような経緯から、1階建てか2階建てのものばかりで、デザインもほとんどされていない、レンガ造やコンクリート造でモルタルを塗っただけという質素なものばかりです。
中華民国の軍人宿舎が続々と眷村として開放されている背景には、軍事施設の合理化、軍用地の開放という潮流があるようです。たくさんの不必要になった軍事施設と土地を、開放して民間に使わせたり、市民の用に供したり、眷村文化の高揚に利用したりしています。

この眷村について、ここに住んでいたという友人から話を聞いたことがあります。彼女は空軍の高級将官の娘だったそうで、父親の赴任に伴って台湾各地の眷村に住んでいたそうです。そして、そのころの生活を非常に懐かしいと言っていました。同じ軍人の家同士で、気の置けない知人同士、子供としても、他の普通の台湾人の子供よりは仲良くなりやすかったのでしょう。その記憶が眷村に連なっているようです。

眷村が人気なのは、そのようなノスタルジーをかきたてるということのほかに、空間的な特徴もその理由なのだろうと僕は考えています。現代の都市のなかで、土地の条件を最大限に使うと、それは中高層の巨大なヴォリュームの建物にならざるをえません。それと比べると、この低層の建物でふんだんにオープンスペースがあり、緑も豊かな空間は、非常にヒューマンスケールで、落ち着くのではないかと思うのです。この眷村以外にも日本時代の宿舎群や、工場のリノベーション施設なども、高層化された現代の都市の中の、心休まるオアシスとして人気があるのではないかと考えています。

【台北國際藝術村 寶藏巖(台北市)】

寶藏巖というのは厳密にいうと眷村ではありません。これは国民党と一緒に台湾にきた一般人がセルフビルドで建てた住居群です。いったん台北市により撤去するようにと決まったのが、住民と台湾大学の先生の運動でその大部分を残すことになったのだそうです。
一部はそのまま住居としてそのまま使い、他の部分はアーティストの作業スペースとして貸し出す形で整備しています。印象として、イタリアの古い街並みのような感じがします。
👉 台北國際藝術村 寶藏巖HP

 

【空軍三重一村(新北市)】

三重の仕事場から、台北橋の方に歩いていたら、突然高雄の駁二藝術特區にある様な巨大な人形に出くわしました。結構な人だかりもあります。気になって路地の中を進んでみると、ここも新たに整備された眷村でした。空軍三重一村というからには空軍の施設がここにあったんですね。
ここの眷村施設は商業施設ではなく、地域の集会施設と眷村文化の紹介を主にしています。この三重の地に何故空軍の施設があるのかよく分かりませんが、日本統治時代にはここが台北守護の拠点として、対空砲が設置されていたそうです。それを国民党がそのまま接収して同じ用途で使っていたのでしょうか。
👉 新北市眷村文化園區

 

【光復新村(台中市)】

台中の921地震教育園区のすぐ隣にある眷村です。アートギャラリー、小物のショップ、カフェやレストラン、親しみやすいお店ばかりです。台中の街の中心から程よく離れており、住環境としてオープンスペースも潤沢です。これまで見た眷村の中で、最も住みやすそうだなと思いました。
👉 光復新村 GuangFu Village

【明徳新村(高雄市)】

左営海軍居住区にある眷村です。高雄の海軍基地というのは入ることができないので見れませんが、壽山の北側にあります。
日本のHPでは、元日本軍の宿舎であること、中曽根元総理の居住した宿舎であることなどが紹介されていましたが、来てみると100%国民党政府による接収後の歴史しか紹介されていませんでした。具体的には、国民党海軍やその将官の歴史です。そのような紹介が、日本式家屋にあるというのが非常に面白いですね。
👉 明徳新村

 

【勝利星村(屏東)】

以前勝利新村として紹介されていた眷村ですが、名称が若干変わり、星村となっていました。駅近の眷村エリアを、大規模に整備を進めています。屏東市の観光の目玉と位置付けているようですね。
この規模は台湾の眷村としては屈指のものです。それぞれのエリアに特徴のあるショップを配置して変化のある街づくりをしていますね。
👉 勝利星村

 

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