【 台南 玉井 / 玉井 マンゴー / 玉井區青果集貨場 / 阿國牛肉湯 / 玉井北極殿 / 噍吧哖事件紀念園區 / 淺山故事館 】
目次
はじめに~玉井ってどんなところ?
台湾の夏の代表的な果物といえば、やはりマンゴーが挙げられると思います。果物店の店先に並んだマンゴーの山や、かき氷屋さんのマンゴーかき氷を見かけると、「台湾の夏真っ盛りだなあ」と実感します。そんなマンゴーの故郷の中で最も有名な町の一つが台南郊外の「玉井」でしょう。アップルマンゴーと呼ばれる愛文を中心に、さまざまな種類のマンゴーが生産されており、まさに「マンゴーの里」と言っても過言ではありません。
そんな玉井の町に久しぶりに遊びに行きました。マンゴーを堪能し、それ以外の魅力も探る旅。早速、現地に行ってみましょう。(トップ写真は、マンゴー好きのあこがれの場所、玉井區青果集貨場)
1.何はともあれマンゴー市場へGO!
台南駅前のバスターミナルから、緑幹線バスに乗ること1時間20分!ひたすらバスに乗り続けて、ようやく玉井の町に到着します。まずはお目当てのマンゴー市場へと向かいます。玉井バスターミナルから歩いて5分くらいの場所に「玉井區青果集貨場」があります。野菜や果物の市場になっている施設で、中はだだっ広く、夏の間はどこまでもマンゴーが並べられ、それはそれは壮観です。
市場の中はカラフルなマンゴーの聖地?!
館内は、マンゴーを求めてやってきた観光客がほとんど。皆さん、目を輝かせてマンゴーの山の間を縫うように歩いていきます。現在、台湾および日本で一番知名度が高いマンゴーの種類は「愛文(=アップルマンゴー)」。この市場でも、半分以上のマンゴーが愛文でしたが、それ以外にも様々な色や大きさのマンゴーが陳列されていて、見ているだけで楽しくなってきます。マンゴーは基本的にが籠単位で売られます。1籠200元とか300元といった感じなので、1個、2個だけ買うのは難しそうです。
もちろん、量はそれほど多くありませんが、パイナップルやライチなどの季節の果物も売られていましたよ。フルーツ好きにとっては天国のような場所ですね。
玉井區青果集貨場
住所:台南市玉井區中正路12號
開館時間:6:00~16:00(無休)
2.マンゴーかき氷が安い!
とはいえ、籠に入った大量のマンゴーを持ち帰るのはとても大変です。グループ旅行や車で来た人は家族や友人とシェアすればよいのですが、一人旅にはこのまとめ買いが一番の難敵です。指をくわえてマンゴーの山を見ていると、市場の片隅にはなんとマンゴーかき氷の屋台が何軒もありました!
というわけで、まだ朝9時半くらいですが、早速、マンゴーかき氷を注文してみます。今回お邪魔したのは「菊 芒果の故郷」というお店です。かき氷は2種類あり、日本のようなザクザクの氷を削る剉冰と、氷にミルクを混ぜて、ふわふわな感じに仕上げる雪花冰が代表的です。今回は、少し値段は高めですが、ふわふわの食感が楽しめる芒果雪花冰(小サイズ・120元)をいただきました。
出来上がったかき氷は、1人前にしてはかなりボリュームがあります。マンゴーがたっぷり入っていて、その上にはマンゴー味のアイス。さらには、情人果(土マンゴーをドライフルーツにしたもの)が少し載っていて、これが良い味のアクセントになっています。剉冰なら同じマンゴー入りで80元です。ふわふわ氷にこだわらない方は、こちらもお勧めです。
菊 芒果の故郷
住所:台南市玉井區中正路12號
営業時間:明記されていないが、朝9時くらいから午後まで営業(と思われる)
3.マンゴー以外にもおいしいものがいろいろあります
マンゴーで有名な街・玉井。けれども、それ以外の料理についてもおいしいお店が意外と多いんです。今回は、台南地方全般で有名な料理・牛肉湯の小吃にお邪魔してみました。
マンゴー市場から徒歩数分。飲食店や商店が並ぶ通りの一角に小さな食堂「阿國牛肉湯」があります。ここは、ガイドブックに載るようなおしゃれなお店ではなく、台湾ならどこにでもあるようなローカル食堂です。が、朝11時くらいから店内はすでに満席状態。牛肉湯といえば、台南中心部の代表的なローカルグルメとして知られていますが、実は台南市郊外の各地区にも、牛肉湯の隠れた名店があるんです。
こちらで注文したのは、看板料理の牛肉湯と、それを頼むと食べ放題になる肉燥飯(台湾北部で言う魯肉飯)。牛肉湯120元は、台南よりもやや安い値段。それに、無料で肉燥飯がつけば、これだけで昼ご飯は十分だと言えそうです。
阿國牛肉湯
住所:台南市玉井區民權路152號
営業時間:10:30~19:00(土日は7:00~、月曜定休)
4.街歩きも楽しいです
玉井はかなり小さな町。果物市場を除けば、ちょっと懐かしい街並みが続きます。もちろん新しい外観のお店もたくさんありますが、ところどころに古い建物やお店の外観が残っていて、街をぶらぶらするのも楽しいですよ。私は、市場の中でマンゴーかき氷を食べましたが、この中心部のあちこちにもかき氷屋さんがあります。街歩きをしながら、お気に入りのかき氷屋さんを探すのも良いでしょう。
亀がたくさんいる?地元の人に愛される廟・北極殿
すぐ近くには、こじんまりとした廟・玉井北極殿があります。創建は1717年と、なんと300年以上の歴史を誇る廟なんです。廟の内部にはたくさんの亀がいるので、皆さんも参拝するときは、亀さんたちにも注目してくださいね。
玉井北極殿
住所:台南市玉井區中正路102號
開館時間:6:00~21:00(無休)
5.忘れてはならないタパニー事件の足跡をたどる
さて、自然豊かでおいしいマンゴーの故郷でもある玉井ですが、かつて日本統治時代には、漢人最大の抗日闘争が発生した場所でもあるんです。それが「西來庵事件(通称・タパニー事件)」と呼ばれるものです。
【タパニー事件の概要】
1895年の台湾割譲以降、台湾各地では日本の台湾総督府と台湾現地の住民との衝突がたびたび起こりました。台南では、余清芳という人物が台南の西來庵を拠点に抗日運動を画策していましたが、これが日本の官憲の知るところとなり、タパニー(玉井の旧地名)を中心に、台湾総督府と抗日運動勢力がいくつもの戦闘を繰り広げました。最終的に余ら首謀者を含め多数が逮捕、最終的に100人以上の抗日勢力が処刑された、台湾の日本統治史上、最大かつ最後の抗日武装闘争となりました。これを西來庵事件(タパニー事件)と呼びます。この事件のあと、台湾の社会運動は、より合法的かつ穏健的なものに変わっていったそうです。
この事件について学ぶことができる施設が、玉井のかつての製糖会社の招待所(外部からの客人などをもてなす施設)に作られました。内部はすっきりと改修されて、事件の歴史的経緯や主な人物の紹介などが詳しく見られます。展示内容は、かなり漫画チックです。シリアスな事件の説明を漫画で行うのは賛否両論があるかもしれませんが、多くの人々に関心を持ってもらうための一つの方法ですね。確かにストーリーは頭に入りやすいです。
日本人としては複雑な気分にならざるを得ない資料館ですが、このような歴史的事実もしっかり学んで台湾に触れていきたいものですね。
マンゴー以前の玉井の産業、それは製糖業だった
なお、タパニー紀念館の向かいの建物には、ここでかつて創業していた製糖工業に関する資料が展示されています。製糖工場で働く労働者やその家族の暮らしぶりが垣間見られて、こちらも貴重な展示になっています。
そう、他の台湾南部の地方都市と同じく、玉井もかつては製糖業が盛んでした。工場の周りには、職員宿舎がたくさん建てられ、そこではたくさんの人々が職住近接の暮らしを送っていました。今は、製糖工場は操業を停止し、すべては歴史の中。このような街の昔を物語る資料に出会うと、街の理解が一歩深まった感じがして楽しいですね。
噍吧哖事件紀念園區
住所:台南市玉井區樹糖街22號
開館時間:9:00~17:00(水曜定休)
紀念園区の隣には、かつての製糖会社の施設を使った物産館もできました
こちらは、かつて製糖会社の厚生施設だった建物だそう。なんとオープンしたてだそうです!館内は意外と広く、地域の特産物の販売コーナーもあって、お土産探しにはもってこいです。飲食もできるようで、マンゴーかき氷からアイスクリーム、さらには特製のカレーも食べられるのだとか。お腹が空いていれば、個々のカレーも試してみたかったですね。そのかわり、レジの横でかなり珍しい種類のマンゴー「夏雪」が販売されていました。お値段は1個70元!今がシーズンの愛文の2倍以上のお値段です。ちょっとビビりましたが、フルーツだけならまだ食べられる、と思い、キッチンで切っていただき、飲食コーナーで食べさせていただきました。少し肉厚で、愛文よりも味はあっさりしているかな。好みは分かれるかもしれませんが、愛文の味が強すぎると感じる方にはかなり良いと思います。
淺山故事館
住所:台南市玉井區樹糖街22號
開館時間:9:30~17:30(水曜定休)
いかがでしたか?マンゴーだけでも魅力いっぱいだし、それ以外にもグルメや歴史探訪を楽しむことができる玉井。台南の市街地からかなり遠い場所にあるのですが、アクセスは案外悪くないです。台南駅前のバスターミナルから緑幹線のバス(必ず玉井行きに乗ってください。新化行きはと玉井まで行きません)に乗って約1時間20分ほどで玉井に着きます。玉井バスターミナルが終点なので、降りるときも安心ですね。7月末くらいまでがマンゴーの最盛期です。この時期に台湾南部を訪れる計画がある方は是非、玉井も候補に入れてみて下さいね。
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