【鳳山 龍山寺】台湾最南端にある龍山寺 — グアバの木の伝説

鳳山龍山寺

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(日本語翻訳=Aya、日本語訳文指導:I.E.)

台湾にいくつかある龍山寺

龍山寺と言えば、多くの人が観光名所として有名な萬華(旧称:艋舺)龍山寺、長い歴史を持つ鹿港龍山寺のことを思い浮かべるかと思います。実は、台湾にはほかにも歴史上記録に残っている龍山寺が7宇あり、建立された順に並べると以下のようになります。

  • 鹿港龍山寺 (1647年,明朝永曆元年)
  • 台南龍山寺 (1715年,清朝康熙帝54年)
  • 鳳山龍山寺 (1719年,清朝康熙帝58年)
  • 艋舺龍山寺 (1738年,清朝乾隆帝3年)
  • 林口龍山寺 (1801年,清朝嘉慶帝6年。創建檀越会による観音菩薩を祀り、今は竹林山觀音寺となり、略称竹林山寺、或いは林口観音媽廟、林口廟)
  • 淡水龍山寺 (1858年,清朝咸豐帝8年)
  • 大渓龍山寺 (1868年,清朝同治帝7年)

この7宇の龍山寺の共通点は、いずれも福建省泉州府晉江県の安海(旧称:泉安)龍山寺から分霊されたものだという点です。

鳳山龍山寺の由来

龍山寺の旧称は「観音寺」であり、1719年(清朝康熙58年)に建立され、主に観音菩薩様が祀られています。清の時代には、当地の泉州(現在の福建省)三邑から移民してきた人々にとっては心の支えでありまた希望を託すところでもありました。伝説によると、ある福建から来た移民が観音寺を経由して境内にあった井戸の水を飲もうとしたとき、身に付けていた安海龍山寺觀音寺のお守りが井戸水で濡れないように、井戸の隣にあるグアバ木の枝にかけました。水を飲んだ後、お守りをそのままにして行ってしまいました。その日の夜からグアバ木の枝にかけられたお守りは光り始めたので、現地の人々は観音菩薩の奇跡だと信じ、そのお守りやグアバの木で観音菩薩像を彫ったり、お寺を建立したりして、その仏像を祀り始めたということです。鳳山龍山寺は長い歴史を持つことから、民国74年(1985年)11月に內政部(現内部省)から二級古跡に指定され、民国89年(2000年)に国家古跡(国宝に相当)に認定されました。以来、鳳山龍山寺は台湾で重要な古跡の一つとなりました。また同時に台湾にある龍山寺の中で最南端に位置しています。

鳳山龍山寺主に祀られている神

主神は 観音菩薩、または観自在菩薩とも呼ばれています。観音菩薩は大慈大悲救苦救難の神通力として有名で、仏教徒にとって最も親しみのある、身近な菩薩です。《妙法蓮華經》第二十五品によって、観世菩薩寛大な慈悲心があるので、世の生きとし生けるものはたとえどのような災難に遭ったとしても一心に観音菩薩にお祈りすれば、菩薩が即時に現れ、救ってくださるので、人々から「大慈大悲観世音菩薩」とも呼ばれていて、仏教において知名度が最も高い菩薩でもあります。

鳳山龍山寺の神々

拜殿:彌勒佛、藥師佛、大勢至菩薩、四大金剛
本殿:觀音菩薩、開基祖等眾菩薩、釋曇如來、阿彌陀佛、虎爺
本殿龍邊(右):韋馱菩薩、註生娘娘、月老星君、十八羅漢
本殿虎邊(左):伽藍菩薩、境主公、文昌帝君、十八羅漢

三寶佛殿:釋迦牟尼佛、文殊菩薩、普賢菩薩

地藏王殿:地藏王菩薩、太陽星君、太歲星君、武財神、福德正神

鳳山龍山寺の見どころ

龍山寺は伝統的な寺廟の建築法が取り入れられており、屋上の剪粘(註:「剪(ジェン)粘(ネン)」とは華南(中国中南部地方)ならではの独自の修飾工法で、陶器を一枚一枚切って、白土に一枚ずつ張り付けてから、色付けを行う)、泥塑(註:粘土を適当な湿度や密度にまで伸ばして彫刻を施した後、その作品を乾燥させてから色付けする工法)だけでなく、石彫り・木造建築工法・透かし彫りが施された窓、寺の門や壁の装飾技術なども見どころです。またそれだけでなくお寺で保存されてきた文化芸術文物、たとえば神像・神龕・祭りの道具などもあり、現在はあまり見かけない珍しい樑籤もあります。(註:樑籤とは古い建物の棟や梁に文字を刻んだ板のこと)。また、清時代から保存してきた7枚の匾額(註:「匾額」とは古い建築物の上の方の真ん中に掛かれた建物の名前や由来などを書いてある板)と3碁の重修紀念石碑等いずれも龍山寺の長い歴史の証であり、どれもこれも貴重な宝物です。 (参考:鳳山龍山寺HP)

鳳山龍山寺の左右には丸い木造の透かし彫りの窓があります。彫刻の中に三組の螭虎があり(註:「螭虎」とは龍の子で、生き生きとした様子、勢いのよさを表現しており、幸運を呼ぶという意味もあります)、それぞれの螭虎も互いに絶妙なバランスを保っていて、優美な姿を丸い形の中に表しています。窓枠の裏には4匹の蝙蝠の彫刻が施されていますが、これは「賜福(神様から福を享け賜わる)」という意味です。ですから伝統的な中華建築では蝙蝠の彫刻で吉祥賜福の意味を示します。窓枠の下には4枚の花びらの紅花と蓮華の彫刻がありますが、とても美しく、透かし彫りの木の窓の四角には窓枠にそって白菊と緑葉、四角の窓枠の左右、及び上の方にはそれぞれ三つの牡丹花と鳥の絵が描かれていて、透かし彫り窓の上品で繊細な工法を見ることができます。(参考:鳳山龍山寺HP)

鳳山 龍山寺

住所: 830高雄市鳳山区中山路7号
電話番号: (07)741-2048
駐車場:有


参考資料:
👉 鳳山龍山寺HP
👉 台湾宗教百景HP

 

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