忠孝新生エリアの齊東街~台北中心地での歴史体験歩き

齊東詩舍

齊東街 ( 斉東街 ) / 齊東詩舍 / MATCHA ONE 齊東店 / 台北書畫院 / 李國鼎故居 / 台北観光

はじめに~今、齊東街が面白い!

台湾の首都・台北は、大都会でありながら、街の片隅に日本統治時代に建てられた日本家屋が案外残されています。それらは現在、博物館・資料館やカフェ、レストラン、アートスペースなどとして活用されていますが、そのような日本家屋がまとまって見られるエリアが、台北のど真ん中・忠孝新生エリアの齊東街です。今回は、ビル街の陰に隠れているものの、ひっそりと日本時代の面影を今に伝えるこの街を歩いて見ようと思います。(トップ写真は台湾文学基地・悦読館の外観、下の写真は「MATCHA ONE 齊東店」の外観)

齊東街は日本統治時代に幸町と呼ばれていました。清代には市街地にはずれにあったこのエリアは、日本統治時代になりと次々と住宅が建てられるようになり、戦後、日本が台湾から去ったのちも、台湾人公務員や台湾銀行行員の宿舎などに活用されてきました。一時期は、建物の老朽化にともない、取り壊しも計画されましたが、台湾市民の地道な努力が実り、21世紀に入ってから歴史建築としての修復・保存の取り組みが本格化します。そして、2014年には日式建築の一つ「齊東詩舎」の修復が完成。これをきっかけに、周囲の住宅の修復も進み、今では数多くの日式建築を楽しめる、歴史満喫エリアに変貌を遂げました。

周囲は、現代的なビルに囲まれ、この一角だけがエアポケットのようにレトロな雰囲気を醸し出しており、近年では、懐かしい風景を見に来る人々が少しずつ増えてきました。コロナ感染状況が悪化したときは、施設も閉鎖されていましたが、今では公開が再開され、歴史散歩を楽しむことができるようになっています。

1.台北文学基地~台北中心部にできた回遊型歴史公園

2014年に修復を終えた日式家屋の「齊東詩舎」。まずは2軒の建物が公開されましたが、それらは現在、最近修復を終えた他の日本家屋棟とともに「台北文学基地」と名付けられ、各棟にテーマを持たせて、ミニ日式テーマパークのようなエリアに発展しました。

1-1. 悦読館

悦読館は、2014年から公開されている棟で、中に入ると開放的な明るさを持つ広い和室があり、日本統治時代に建てられた建物の構造を随所に見ることができます。室内の高低差を生かした中央の部屋は、文学基地の中でももっとも絵になる風景といっても良いでしょう。奥の部屋は、児童向けの絵本などがたくさん用意され、毎週土曜日の午前には、絵本の読み聞かせイベントが開催されています。懐かしく温かみを感じる空間で絵本を読んでもらうと、子どもたちもきっと喜ぶことでしょう。

2-2. 齊東舎

齊東舎は、悦読館とともに2014年から公開されている棟です。こちらは、台北城東地区の歴史建築に関する展示がたくさん見られる歴史学習スペースになっています。かつての台北の東側の古い建物や街の様子が様々な形で学べるようになっています。

2-3. 展覧庁・創作坊・文学厝・繆思苑

最近になって修復が終わり、公開されるようになったのがこれらの4棟です。これらは文学について様々な形の活動のベースキャンプとなったり、企画展の会場となったりしています。どの建物も、日本家屋の趣を残す一方で、改修が必要だった箇所については現代的なセンスを取り入れた改変を行い、図らずも昔と今を繋ぐ雰囲気を醸し出しています。

2-4. 発展した文学基地

当初は2棟のみ公開されていた日本家屋群が一気に全7棟公開され「台湾文学基地」となるにあたり、入口はあえて一カ所に限定され、そこから各棟を回遊できるスタイルを採用したのは正解だったと思います。中庭エリアを中心に据え、各棟を巡るスタイルは、家屋群の一体感を生み、フリーマーケットなどのイベントも組みやすくなります。これなら、足を運んでみようと思う人も増えるでしょうから、これから齊東街の存在を知る人も増えていくのではないでしょうか。

齊東詩舍 – 台湾文学基地

住所:台北市中正區濟南街二段27號
開館時間:10:00~18:00(月曜定休)

2.「MATCHA ONE 齊東店」~リノベした日本家屋で和のデザートを楽しむ

台湾文学基地の敷地内には、こだわり派の高級スイーツショップも入っています。それが「MATCHA ONE 齊東店」です。日本家屋をリノベした店内は、木造日本家屋のぬくもりと明るくモダンなデザインが融合したおしゃれな空間になっており、多くの人に親しまれています。お店の中央部には、日本料理店のようなカウンターがあり、お店の方がまるで板前さんのようにスイーツを用意したり、抹茶を立てたりします。

このお店は全席予約制。少し手間はかかりますが、人気店にありがちな長い行列に悩まされることもなく、すぐに席に通されるので快適ですね。今回は一人でお店を訪れたため、カジュアルな一般席をチョイス。せっかく和風スイーツで有名な店に来たので、抹茶と和菓子の練り切りのセット(450元+サービス料10%)をいただきます。抹茶も和菓子も、日本の本格的なものに引けを取らないおいしさ。どのスイーツも少し高めですが、ここでは奮発して和の雰囲気に浸りましょう。

MATCHA ONE 齊東店

住所:台北市中正區齊東街53巷10號
営業時間:12:00~18:00(火曜定休)
👉 Facebook: Matcha One 齊東店

4.台北書畫院~日本家屋には書道の作品がよく似合う

近年では、台湾文学基地のリニューアルが話題の中心になりますが、実は、その北側にひっそりと建っている日本家屋があります。それが「台北書畫院」です。こちらも、日本統治時代の官舎群の建物の一つで、日本時代の雰囲気をかなり残した形で修復されており、かなり見ごたえがあります。

現在は、書道や水墨画の展覧会が開かれることも多く、日ごろなかなか触れる機会のない書道や水墨画の作品を、レトロな日本家屋の中でゆっくり鑑賞することができます。ここに来たら、建物そのものにも注目して下さい。部屋の窓の上下に小さな窓が付けられている場所がいくつかあります。各部屋の作りもかなり凝っていて、建築様式に詳しくない方でも十分に楽しむことができます。

台北書畫院の南側には、同じく日本時代の雰囲気をかなりとどめている「台北琴道館」という施設もあるのですが、残念ながら現在は内部補修中のため休館しています。みなさんが台北を訪れるときには修復が終わっている可能性もあるので、齊東町エリアを訪れるときは、事前に琴道館も開館しているか問い合わせてみるとよいでしょう。

台北書畫院

住所:台北市中正區金山南路一段30巷12號
開館時間:10:00~17:00(月曜火曜定休)
👉 臺北書畫院HP

5.李國鼎故居~戦後台湾のスーパー行政マンが住んだ質素な日本家屋

齊東街から少し南に位置する泰安街。静かな住宅街になっているこの通りにも、瀟洒な日式住宅があります。それが「李國鼎故居」です。ここは日本統治時代の1935年に、台湾総督府交通局逓信部部長宿舎として建てられた住宅で、戦後、台湾の政治・経済に大きな影響力を発揮した李國鼎が2001年に亡くなるまで住み続けていました。

今では、李氏および夫人の遺品や、彼の功績を偲ばせる様々な展示が見られる他、李氏夫妻の生活の様子も垣間見られるようになっています。建物は思いのほか質素で、台湾の中枢にいた人物の住宅としては地味な印象です。台湾ではこのように、日本時代に建てられた比較的しっかりした住宅に、戦後台湾人が住み続け、文化財として保存活用されるケースが増えています。日本統治時代の家屋がこのような形で生き続けるのを見ると、日本人としては嬉しくなりますね。

李國鼎故居

住所:台北市中正區泰安街2巷3號
開館時間:10:00~16:00(日曜月曜休館)
👉 Tripadvisor: 李國鼎故居

さいごに

いかがでしたか。これだけの日式家屋がまとまって見られる場所は、台北では他にないと思います。交通アクセスも良く、旅の途中でも気軽に訪れられる歴史エリア・齊東街。コロナ収束後の台湾旅行の計画にも、ぜひ入れてみてください。(写真は、台北書畫院の内部)

 

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