台湾中部・苗栗県の南庄老街を歩く

苗栗県 南庄老街 / 桂花巷 / 南荘文化会館 / 十三間老街 / 南江老街 / 東村宿舎 】

はじめに

台湾中部・苗栗県の山間部に、南庄という小さな町があります。日本ではまだあまり知られていませんが、台湾では日帰りで行ける自然豊かな観光地として有名です。町の中心には老街をはじめとして、街歩きにぴったりのスポットがたくさんあります。今回は、この南庄という町を散歩してみようと思います。(トップ写真は、南庄を象徴する「桂花巷」の標識)

1.週末は大混雑!まずは南庄老街を歩こう

南庄で一番有名な観光スポットは、町の中心にある南庄老街(桂花巷)です。狭い路地には地元産の食品や各種お土産品などを売る商店がずらりと並び、土日になると非常ににぎわいます。今は、コロナ感染の影響でお客さんも少なめですが、コロナが落ち着いたら、また昔の賑わいを取り戻すでしょう。

1枚目の写真に載っている花は桂花(きんもくせい)。これは南庄を象徴する花で、老街の入口に桂花をあしらった標識が作られ、たくさんの人がここで記念撮影をしていきます。老街では、桂花を使った商品がたくさん見られ、中でも「桂花醸」という、きんもくせいのシロップ漬けは大人気です。桂花のエキスが入ったエッグロールもおいしいですよ。

2.日本時代の歴史をたどれるスポット~旧郵便局と乃木崎

老街を抜けたあたりに小さな木造建築があります。これは、日本統治時代に建設された旧南庄郵便局の跡。1900年に初代局舎が建てられましたが、1935年の大地震で損壊。その後再建された建物が現存のものです。今では、郵便局の機能は移転して、その代わりに南庄の歴史を学ぶ資料館コーナーやお土産ショップとして利用されています。

南庄は、古くから樟脳の生産が盛んでしたが、日本統治時代から石炭の採掘地としても栄えるようになり、1970年代までは炭鉱が操業していたそうです。今では、炭鉱の閉山などに伴い、このような産業も衰退し、その代わりに観光業が町の経済を支えています。そうした歴史の一端を古い郵便局の中で学べるのも面白いですね。

南荘文化会館 (旧南庄郵便局)

住所:苗栗縣南庄鄕東村160號
開館時間:10:30~17:00(原則無休)

乃木大将の名が残る歴史ある階段

旧郵便局のすぐ近くに、古い石段があるのですが、ここは「乃木崎」といい、第三代台湾総督・乃木希典が統治を視察した際、総督自ら寄付をしてここに階段を作るよう働きかけたことがきっかけで作られた階段なんです。(「崎」は客家語で「坂」の意味だそうです。)街のあちこちに、歴史の語る場所があるのは興味深いですね。

3.もうひとつの老街・十三間老街を行く

南庄の面白いところは、メインの老街以外にも老街の名がつく通りが2つもあるところです。そのうちの一つが十三間老街。ここもかつては木材や石炭の輸送路として繫栄し、沿道にはずらりと商店が建ち並んだそうです。今では、すっかり静かな通りになりましたが、パン屋さんやカフェなど新しいお店がやってくるようになり、少しずつ賑わいを取り戻しつつあります。

十三間老街に自然食品とコーヒーを楽しめるかわいらしいお店が登場

この老街でひそかに人気が出ているのが「十三間手作農坊」というお店。自然食品を扱うお店なのですが、おいしいコーヒーも飲めます。天気の良い日は、お店の前で大きな鍋を使ってコーヒー豆を炒っている姿を見ることも。台湾コーヒーも扱っているので、興味のある方は試してみてください。このお店のもう一つの名物は、ボリュームたっぷりの愛玉。暑い夏に訪れたら、ひんやり涼しい愛玉もお勧めですよ。

十三間手作農坊

住所:苗栗縣南庄鄕中山路67號
営業時間:10:00~20:00(火曜定休・月水木は~18:00)

4.川の向こうにも老街が!〜 南江老街

市街地のはずれにある大きな吊り橋「康濟吊橋」を渡ると、なんと対岸にも老街があります!その名は「南江老街」。かつては桂花巷を上回る賑わいを見せた時代もあった老街ですが、今ではひっそりと静まり返り、昔のたたずまいを今に残すだけになっています。そのかわり、土日になると激しい混雑で散歩するのも一苦労の桂花巷に比べると、のんびりとタイムスリップができますよ。

5.南庄に新しくできた歴史スポット~ 東村宿舎

古い物を大切に残す南庄の町。そこに今年、新しくオープンした歴史施設があります。それが「東村宿舎」です。ここは日本統治時代の1935年に建てられた「南庄製脳収納詰所 」を最近になって保存・修復したもの。かつて南庄で盛んだった樟脳の保管や販売などを行う施設だったようです。市街地のはずれに位置するこの施設では、売店やカフェ、宿泊施設、浴衣体験コーナーなどがあり、南庄の新しい観光の目玉として期待されています。

クーラー要らずのさわかやかなカフェでひと休み

木造の建物に入ると、昔の日本を思い出させる雰囲気がたっぷり。特に、手前の建物の後方にあるカフェは、落ち着きを感じさせるだけでなく、通り抜ける風がとても気持ち良いので、少し暑い日でもクーラーなしで過ごすことができます。自然の風を感じながらおいしいコーヒーやスイーツをいただくのは格別ですよね。

東村宿舎

住所:苗栗縣南庄鄕東村75號
開館時間:10:00~18:00(水曜定休)※カフェの住所・営業時間も同じです

さいごに~交通アクセスは案外悪くない

いかがでしたか。自然に囲まれた小さな町で街歩きをするのはとても楽しいと思います。心配なのは交通アクセスですが、実は思ったほど不便ではありません。以下の2つのルートで行くことができます。

★第1ルート
台北から台鉄自強號で竹南まで行き、そこから南庄方面行きのバスに乗り換えて約1時間。台鉄の自強號はおおむね1時間に1本走っていますし、竹南からのバスも1時間に2本程度出ているので、ロスは少ないと思います。

★第2ルート
台北から國光客運高速バス1823路線で頭份まで行き、バスを降りたターミナルで南庄方面行のバスに乗り換えて約40分。竹南発のバスが頭份を通るので、本数は第1ルートと同じです。

どちらもルートを使っても日帰りで行けます。コロナ明けの台湾地方散策の目的地にもぴったりだと思うので、ぜひ一度、南庄の町をのんびり歩いてみてください。(最後の写真は、南庄老街の裏手にあるかわいい路地・情人巷)

 

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