【 淡水 歴史 ツアー / 淡水教会 / 滬尾偕醫館 / 前清關税務司官邸 / 理学堂大書院 / 紅毛城 英国領事館官邸 / 海關碼頭 / 滬尾礮臺 】
目次
はじめに
台北からMRTで約40分。台北・新北市民の手軽な観光地として人気のある淡水。週末ともなると、たくさんに人でごった返します。特に人気があるのがMRT駅から歩いてすぐの老街。そして、川岸で見られる美しい夕陽も大人気ですが、実はそれ以外にも魅力的なスポットがたくさんあるんです。特におすすめしたいのが、清代末期までの歴史にまつわるスポット。このような古い時代の見どころがたくさん有る町は、台湾の中でもあまりないと思います。今回は、このような歴史スポットに焦点を当てて、淡水の町を気ままに散歩していこうと思います。それでは老街が終わる辺りから散歩を始めてみましょう。(トップ写真は、裏通りにある滬尾偕醫館と背後に見える淡水教会)
【豆知識】
「滬尾」とは・・・清朝時代まで淡水は滬尾と呼ばれていました。日本統治時代になり「淡水」と「滬尾」という2つの地名が併用されていましたが、1912年に「淡水」に統一されました。
1.スタートはきれいなフォルムの淡水教会から
淡水老街を抜けたあたりに位置する「淡水教会」。正式名称は「臺灣基督長老教會淡水教會」で、淡水の町にゆかりの深いジョージ=L=マッケイ博士(牧師)が設立した教会です。現在の教会が建てられたのは1933年。90年もの間、淡水の町を見守ってきたのですね。目の前の通りの名前は「馬偕街(マッケイ通り)」です。淡水の数ある写真撮影スポットの中でも屈指の人気を誇る教会で、その美しい姿を写真に収めようとする人が絶えることがありません。夜景スポットとしてもおすすめです。
淡水教会 (台湾基督長老教会淡水教会)
住所:新北市淡水區馬偕街8號
原則非公開
すぐお隣は、マッケイ博士が開いた診療所跡もあります。これは「滬尾偕醫館」といい、1879年に建設された、マッカイ博士の西洋式診療所です。週末は内部が公開され、マッケイ博士に関する展示も見られます。
滬尾偕醫館
住所:新北市淡水區馬偕街6號
開館時間:土曜10:00~17:00、日曜13:00~17:00
2.坂を上がって白亜の洋館へ
淡水教会から、坂をどんどん上っていきます。大通りを抜けてさらに坂を上がっていくと、「小白宮」に着きます。ここは、正式名称を「前清淡水關税務司官邸」といい、1862年に建てられた税関の役人のために建てられた官邸です。スペイン風の回廊は、淡水の歴史的洋風建築の中でも特に明るい雰囲気を醸し出しています。ウェディングフォトを撮りに来るカップルも多いそうですよ。
前清關税務司官邸
住所:新北市淡水區真理街15號
開館時間:9:30~17:00(土日祝は~18:00、毎月第一月曜日は休館)
3.マッケイ博士が開いた学び舎が今でも保存されています
小白宮を出て、真理街を通り抜けると、真理大学という大学に着きます。この大学の前身は、かのマッケイ博士が1882年に創設した学校「理学堂大書院(牛津學堂)」で、後に規模を拡大して大学になったものです。近代的な建物が建ち並ぶ大学構内の一角に、歴史を感じさせるレンガ造りの建物があります。校舎としてはかなり小さいほうですが、内部は見学が可能で、特にマッケイ博士や大学に関する資料が多数展示されています。ちなみに、小白宮から真理大学辺りまでの真理街の街並みもとても良い雰囲気。台湾なのでバイクはよく通りますが、少し狭い通りはレンガ造りの塀が続き、レトロな雰囲気を感じながら散歩することができます。
理学堂大書院
住所:新北市淡水區真理街32號
開館時間:10:00~12:00、13:00~16:00(土日休館、月は午後のみ開館)
4.淡水の古い歴史が学べる紅毛城
真理大学から坂をどんどん下りていくと。右手に淡水有数の歴史観光スポット「紅毛城」にたどり着きます。ここは1628年にスペインによって建設された「サント・ドミンゴ城」が前身で、その後オランダ人が改築して、アントニー要塞と名付けられました。「紅毛」の名前の由来は、当時オランダ人のことを「紅毛」と呼んでいたことだそうです。さらに、清朝末期になるとここに英国領事館が設置され、紅毛城のすぐ隣に、英国領事館が建てられました。その後も様々な変遷を経ながら、1984年から歴史施設として一般公開されるようになりました。
紅毛城の隣は英国風の邸宅があります
旧アントニー要塞の隣にある瀟洒なレンガ造りの建物は「英国領事館官邸」です。こちらは、1891年に建てられた2階建ての邸宅。イギリス植民地様式の美しいレンガ造りの建物は、紅毛城に負けず劣らず魅力的です。内部には、官邸の暮らしぶりがわかるような展示が多数あって、かなり興味深いです。紅毛城も英国領事館邸宅も高台にあるので、目の前には淡水河、さらにその向こうには觀音山もきれいに見えますよ。
紅毛城・英国領事館官邸
住所:新北市淡水區中正路28巷1號
開館時間:9:30~17:00(土日祝は~18:00、毎月第一月曜日は休館)
5.川べりのさんぽの途中に立ち寄りたい歴史的な洋風建築
紅毛城から漁人碼頭方面へ、もう少し歩きます。すると、またまたレンガ造りの洋風建築が見えてきます。これが「海關碼頭」です。こちらは1862年に開設された港湾施設の倉庫などとして建設された建物で、日本統治時代に完成したとのこと。現在は、2棟が公開されており、当時の雰囲気を感じることができます。
海關碼頭
住所:新北市淡水區中正路259號
開館時間:9:30~19:30(無休)
6.歴史さんぽのゴールは、淡水の町を守る砲台
海關碼頭から川沿いの遊歩道をしばらく歩き、途中から坂道を上がっていくと、淡水の守りの要「滬尾礮臺 」に着きます。清仏戦争淡水の役で勝利を収めた清軍は、北台湾の守りの要衝である淡水の防御を固めるため、1888年に堅固な砲台を完成させました。それが「滬尾礮臺」です。実はこの砲台、実戦で使われたことがありません。戦後は長らく台湾政府の管理下に置かれていましたが、国定古跡に指定され、荒れ果てた部分の修復を終えて、一般公開されるようになりました。他の見どころから多少距離があるため、砲台まで足を運ぶ観光客はそれほど多くありません。いつ訪れても、静かに歴史を見守るたたずまいを感じることができます。
ここは、今回の散歩ルートの中で、MRTの駅から一番遠いところにあります。帰りは川沿いの遊歩道をのんびり歩くか、遊歩道付近にあるバス停「滬尾砲台」から淡水駅行きのバスに乗って帰るのが良いでしょう。バスの本数はとても多いので、しばらく待っていればバスは来ます。
滬尾礮臺
住所:新北市淡水區中正路一段6巷34號
開館時間:9:30~17:00(土日祝は~18:00、毎月第一月曜日は休館)
さいごに
いかがでしたか。一つ一つ丁寧に見ていくとまる一日かかるくらい歴史的な見どころが多い淡水。老街と夕陽は楽しんだことがある、という方は、次回これらの歴史名所を訪れてみてはいかがでしょうか。(最後の写真は、英国領事館官邸の外観)
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