【嘉義 朴子】日本時代の面影が残る台湾南部の小さな町!

嘉義 朴子 / 清木屋せいもくや / 1935玉勝巷 / 嘉藝點水道頭文創聚落 / 動物好朋友 / 朴子市刺繍文化館 】

はじめに~日本でまだあまり知られていない嘉義縣朴子市

皆さんは、嘉義県にある朴子という町をご存じでしょうか?嘉義県では、森林鉄道がある阿里山など、どちらかというと山間部の観光地に注目が集まりますが、県西部の平野地帯にも隠れた見どころをたくさん持つ町があるんです。朴子は、人口約4万人。日本統治時代の面影が随所に残る、かなり魅力的な町。今回は、高鐵からのアクセスも良い朴子の町を歩いてみたいと思います。

1.日本時代の診療所がレトロカフェに

古くから嘉義県西部の主要都市として発展してきた朴子。この町でまずは訪れていただきたいのが、あるレトロカフェです。それが「清木屋(せいもくや)」というカフェ。ここはもともと、1930年に日本人医師・松浦保によって建てられた診療所の建物でした。戦後、松浦医師が日本へ帰ってから、この建物はさまざまな用途に使われたのですが、1956には黄清木医師がこの建物を使って外科診療所を設立。1989年まで現役の医院として活躍していましたが、その前年に清木医師が亡くなり、主なき廃屋となってしまいました。そこで清木医師の孫にあたる黄崇哲氏らが中心となって建物の修復・リノベが行われました。その結果、2016年にはカフェとして再出発を切ることができたというわけです。

レトロな空間でカフェタイムを満喫

カフェの中に入ると、そこはもう昭和初期の世界そのものです。一般の民家ではなく診療所を改造したので、中は思ったより広く、いくつかの部屋に客席が設置されています。今回は、アメリカンとチーズケーキを注文。こういうレトロな空間で飲むコーヒーの味はまた格別ですね。「せいもくや」では、ミニコンサートを始めとするイベント活動も盛んにおこなわれています。もしかしたら、あなたがお店を訪れるとき、何かイベントがあるかもしれませんよ。

ドラマ撮影のオファーが絶えないレトロスポット

「せいもくや」は、レトロカフェというだけでなく、日本統治時代以来の朴子の歴史を示す写真や品物が展示されていて、この町の歴史も学ぶことができます。特に興味深いのは、再現された診療室。ここには昔の医療器具などが多数残されていて、かつての診療所の雰囲気を感じることができます。台湾ドラマの撮影地としても大変人気があり、今まで何本ものドラマがここで撮影されました。もしかしたら、皆さんが台湾でご覧になるドラマにも「せいもくや」の建物が登場するかもしれません。

清木屋せいもくや

住所:嘉義縣朴子市市東路40號
営業時間:11:00~18:00(日曜、火曜、木曜定休)
※ドラマの撮影に使われることがあるので、必ず事前に営業日を確認してください

2.朴子にあるもう一つのレトロカフェ

朴子は、もう一軒とても雰囲気の良いレトロカフェがあります。それが「1935玉勝巷」です。100 年近い歴史を持つ木造家屋を修復してカフェが開業したのが2019年。こちらも地元の方に交じって観光客の姿が見られます。カフェがある地区は、朴子の中でも古くから栄えたところで、この建物は、日本統治時代には炭球などを扱う商店として大いに繁栄したそうです。

個性的なコーヒーやオーナーのお話で至福のひと時

店内に入ると、そこは古い民家の面影を残した古き良き時代の空間です。「せいもくや」よりも狭く、カウンター席に座れば、オーナーさんとゆっくり会話することもできます。今回勧めてもらったコーヒーは、なんとワインの風味が感じられる芳醇な味わいのコーヒーでした。もちろん、ワインが入っているわけではないのですが、こういう変わり種のコーヒー豆にも出会えるのが台湾の個人カフェの魅力です。

カフェコーナーだけでなく、洗面所を改修して作られたミニ浴室や日本の風情を思い起こさせる縁側など、日本好きのオーナーさんのこだわりがとても楽しかったです。皆さんも、このカフェを訪れたら、浴室や縁側を見せてもらってください。

1935玉勝巷

住所:嘉義縣朴子市黎明路51號
営業時間:10:00~18:00(月曜、火曜、水曜定休)

3.日本家屋がまとめて残されている文創園区~水道頭文創聚落

日本統治時代に朴子が発展したシンボルといえば、現存する水道頭(上水道の貯水タンク)でしょう。水道事情が良くなかった台湾では、日本時代に各地で水道施設が整備され、このような水道頭も作られました。今では、もっと立派な水道施設があるので、このタンクは使用していませんが、歴史の生き証人としてしっかりと保存されています。

水道頭に隣接する日本時代の職員宿舎群が面白い

朴子の新しい歴史観光スポット、それが「水道頭文創聚落」です。こちらは、日本統治時代に建設された警察および教員用の宿舎群が修復・保存され、文創聚落(文化的集落群)として整備されたもので、今では、この施設目当てで朴子を訪れる人も増えているようです。レストラン、カフェ、雑貨店、アート工房と入居しているショップも多彩。一度では体験しきれないので、機会を見て2度、3度と訪れたいですね。

嘉藝點水道頭文創聚落

住所:嘉義縣朴子市中正路17號
開館時間:11:00~17:00(月曜、火曜定休)
※各店舗の営業時間は異なります

個性的なお店が勢ぞろい!DIYが体験できるお店も

素敵なお店がたくさんある中で今回お邪魔したのは、「動物好朋友」という小さなお店です。こちらは、クッキーなどの体験DIY教室がメインのお店ですが、店内でさまざまなドリンクや手作りのクッキーなどのスイーツが楽しめます。この日頂いたのは、焼きたてのふかふかスコーンと桑の実ソーダ。DIY教室が盛んな台湾では、週末になるとこういうお菓子づくり教室にも参加する人が多いのでしょう。ある程度中国語が分かる方であれば、タイミングによってはDIY教室に参加するのも面白いかもしれませんね。

動物好朋友

住所:嘉義縣朴子市山通路12號
営業時間:11:00~18:00(月曜、火曜定休)

4.日本時代の建物で町の伝統産業の歴史を伝える

最後に紹介する施設は、「朴子市刺繍文化館」です。こちらは、日本統治時代に建てられた役所の建物が長く保存され、朴子の伝統産業である刺繍の作品を展示する資料館として再活用されているものです。台湾各地に残る日本時代の木造建築はさまざまな用途に使われていますが、このように地元の産業の足跡を示す展示と木造のレトロな建物は、相性がとてもよいと思います。水道頭からも近いので、セットで見学するとよいでしょう。

朴子市刺繍文化館

住所:嘉義縣朴子市文明路10號
開館時間:9:00~16:00(月曜、火曜定休)

いかがでしたか。小さな町に日本時代の面影がたくさん残ってみて、なかなか興味深いですよね。朴子という町は、鉄道が通っていないこともあり、日本人にはほとんど知られておらず、ちょっともったいない気がします。

でも実は、高鐵からのアクセスはかなり良いんです。高鐵嘉義駅からBRT路線(高鐵連絡バス)に乗って、約30分で行けます。バスの本数も比較的多く、20分~30分間隔で運行。しかも、高鐵の乗車券を提示すれば、バス料金が無料になるというお得な制度もあります。機会があったら是非、この日本の面影もたっぷり残る朴子の町を訪れてみて下さい。

 

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