【嘉義 阿里山】全線復旧した阿里山森林鉄道の旅!

嘉義 阿里山 / 阿里山森林鉄道 / 奮起湖大飯店 】

はじめに~今年全線復旧した阿里山森林鉄道へようこそ

みなさんは、阿里山に行ったことはありますか?台湾有数の景勝地で、登山・ハイキングのメッカでもあります。今年の7月6日、この阿里山に、長らく運休していた森林鉄道の列車が再び走るようになりました。数年前から途中駅までは運転を再開していたのですが、どうせ乗るなら終点まで運転が再開されてから乗りたいと思い、ずっとその日を待っていました。

先ほど書いたように、この夏めでたく全線運転再開となったのですが、実は7月末の台風の影響で再び運休。懸命の復旧作業により、10月5日にようやく運行再開となりました。同じように再開を待っていた人がたくさんいたようで、夏の間は切符がなかなか取れないという評判が立っていました。11月に入り、少し切符が取りやすくなったタイミングを狙って、ようやく私も切符をゲットしました。阿里山森林鉄道の料金は嘉義から阿里山まで乗り通すと600元ですが、実際には国家公園(日本で言えば国立公園)の入園料が加算されるため、750元となります。少し高いですが、台湾の貴重な自然や鉄道を守るためには必要かもしれませんね。

それでは、夢の森林鉄道の旅に出発しましょう。

1.レトロな駅舎の嘉義から出発

阿里山森林鉄道は、正式名称を阿里山林業鐵路と呼びます。嘉義ー阿里山間は全長71.6kmの路線で。開通は、1912年。当初は、阿里山周辺で伐採した木材を輸送することを目的としていましたが、現在では、個性的な車両や美しく雄大なパノラマを楽しむ観光鉄道として多くの人に愛されています。

台鉄の駅舎の中に阿里山鉄道の窓口とホームがある

始発駅の嘉義駅は、日本統治時代に建てられた台湾鉄道の駅舎を間借りしており、レトロな感じがします。切符売り場は、駅舎正面の一角。やや目立たないので気づきにくいのですが、よく見ると、中国語、英語、日本語で嘉義駅の標識が書かれています。こちらでは直接切符を買うことができる他、ネット予約した人が紙の切符を受け取ることもできます。阿里山森林鉄道のホームは、台鉄ホーム1番線の向かい。かわいらしいホームで列車の入線を待ちます。

いよいよ列車の入線です。小さなディーゼル機関車にけん引されて入ってきた列車は全部で5両。ですが、車両がとても小さくて、車内の座席は2列+1列のコンパクトなスタイルになっています。

2.ゆっくり走るが、揺れる!揺れる!~楽しい車内

いよいよ待ちに待った出発の時間です。午前10時調度に出発した列車は終点の阿里山駅に着くのが14:56となんと約5時間の旅になります。嘉義から5時間といえば、自強號で台北に行くのも5時間かかりません。実は森林鉄道の列車は速度がかなり遅いんです。そのかわり移りゆく車窓の風景をゆっくり眺めることができます。窓越しに風景写真を撮るのにもゆっくりスピードは嬉しいですね。

一つ注意してほしいのは、車内の揺れが結構激しいので、電車に酔いやすい人は酔い止めの薬を飲んだ方が良いかもしれません。座席背後のポケットには、エチケット袋と思わえるビニール袋が用意されていました。(私も途中少し酔いました・・・)

次第に変化する車窓が面白い

平野部の嘉義から山岳地帯の阿里山までひたすら高度を上げる阿里山森林鉄道。そのため、車窓の風景も少しずつ変わっていきます。のどかな田園風景から始まり、次第にうっそうと木々が生い茂った森林地帯に入っていきます。高度が上がるにつれ、生えている木も変化して、車窓を眺めていて飽きることがありません。

3.長い長い途中休憩~奮起湖駅で弁当を楽しむ

さて、12時を過ぎ、途中の主要駅・奮起湖駅に到着しました。この駅での停車時間はなんと1時間5分!!今どき、日本でも台湾でも、こんな長時間停車の列車はほとんどないと思いますが、列車にずっと乗っていると疲れてくるのも事実なので、せっかくの急がない旅、気にせずのんびりリフレッシュしましょう。

ところが、奮起湖駅に着いたらびっくり。なんと駅周辺に観光客が殺到しているんです。列車の乗客の数は実際にはそれほど多くないので(おそらく100人程度でしょう)、車や観光バスのツアーで奮起湖を訪れている人が圧倒的に多いようです。阿里山観光の人気のほどがうかがえました。

鉄道旅のおともになつかしい駅弁はいかが?

奮起湖の名物は、「駅弁」です。台湾のセブンイレブンなどで時折見かける、素朴な弁当にも「奮起湖」の名前がつけられていることがあります。名前は知っていても、実際に行ったことはない奮起湖でオリジナルの弁当を食べるのは、阿里山で叶えたい夢の一つですが、ここではあちこちに弁当屋さんがあり、「本場」の奮起湖便當を食べることができます。

奮起湖便當の歴史の古く、日本統治時代に阿里山まで長時間乗車となる乗客のための温かい食事を提供するため、途中駅の奮起湖で駅弁を販売するようになったのがきっかけだとか。戦後はは乗客の減少に伴い、この駅弁も風前の灯火となりましたが、セブンイレブンとのコラボで奮起湖弁当が台湾全土で販売されるようになると、再び人気があつまります。今では、阿里山観光の一つの目玉としてわざわざ奮起湖を訪れる人も増えているようです。

数ある弁当店の中で今回私が訪れたのは、老舗の「奮起湖大飯店」のフロント。こちらで日中、奮起湖の弁当が買えるんです。早速フロントに行くと、そこにはすでに長い行列。ただし、売っているのは出来上がった弁当だけなので、行列はどんどん進み、10分もしないうちに弁当を買うことができました。大混雑のイートインコーナーで何とか席を見つけ、早速お弁当を頂きます。ステンレス製のレトロな弁当箱に入った豚肉弁当は180元。正直、ちょっと高いなあと思いましたが、レアな観光地での貴重な体験なので、多少お値段が高めなのは仕方がないかな。味は結構おいしかったですよ。

奮起湖大飯店

住所:嘉義縣竹崎鄕178-1號
営業時間:9:30~19:00(無休)

まるで九份?!老街歩きも楽しい

奮起湖駅前は老街になっており、食堂やお土産屋さんなどがひしめき合っています。ちょっと九份老街の雰囲気にも似ていますね。老街の片隅にあるカフェでは阿里山産のコーヒーも買うことができ、こちらでひと息つくこともできます。駅構内には名物蒸気機関車「シェイ」などが展示されていて、阿里山鉄道の歴史を垣間見ることもできます。

このように、1時間5分の長時間休憩時間はあっという間に終了となりました。観光客の視点で言えば、途中駅にひと休みして弁当やお土産購入を楽しめるのは、レアな旅体験としてはかなり面白いので、この停車時間はむしろありがたい感じがしました。

4.ようやく終点・阿里山駅に到着

奮起湖を出発して、列車はさらに高度を上げていきます。途中の勾配はさらに急になり、途中スイッチバックという、列車の方向を転換することで勾配を登りやすくする設備が何か所もあって、鉄道ファンにとっては楽しみが多い路線になっています。

そして、乗車中よく出会った光景が、沿線の駅や並行する道から手を振ってくれる地元の人やハイカーたちがとても多かったことです。車内もお客さんも、それにつられて手を振る人を見かけるたびに、手を振り返すようになりました。1回の乗車でこんなにたくさん手を振ったことは生まれて初めてでした。

長かった阿里山森林鉄道の旅も、ようやく終着駅に到着となりました。出発から5時間。久々に長旅をした感じです。駅のホームに降りたると、そこはもうひんやりした空気に包まれた山の中でした。気温は夏の暑さが残る台湾としては肌寒い18℃。なにしろ、阿里山駅の標高が2,216メートル。ふもとの嘉義の標高は30メートルですから、なんと2,000メートル以上ものぼってきた計算になります。ちなみにこの日の嘉義の日中の最高気温は30℃でした。

さいごに~日帰りでも森林鉄道の旅が楽しめる?!

いかがでしたか。阿里山を観光するときは、ぜひこの森林鉄道を体験していただきたいです。が、何しろ本数が1日1往復(阿里山まで行く列車)なので、プランを立てるのが難しいですね。一般的には、阿里山に一泊するのが良いと思いますが、鉄道に乗れれば満足、とかどうしても日帰りにせざるを得ない、という方は帰りの便をバスにしましょう。嘉義から阿里山までは実は1日10本以上バスが走っており(一部は台鉄嘉義駅ではなく高鉄嘉義駅発着)所要時間も2時間半程度で行けます。阿里山発の最終バスは17:10なので、2時間程度阿里山駅周辺で過ごして嘉義に帰ることは一応可能です。ただし、このバスは、週末は混雑することもあるようで、出発時間直前に乗ろうとすると2時間以上、山道を走るバスの中で立ち続けなければならないかもしれません。絶対に日帰り、という方は、本格的な観光は次回に回して、早めにバス乗り場にお越しください。

バスターミナルは、鉄道駅から徒歩5分くらいの場所にあります。ここはバスが発着するだけでなく、建物の中にセブンイレブン(このお店は台湾最高地点のセブンイレブンだそうです)や、お土産ショップ、カフェなどが併設されており、バスを待つ間ひと息つける設備が整っています。

 

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