【 雲林 西螺 / 西螺 酱油 / 西螺延平老街文化館 / 鐘樓咖啡 / 永豐米糧行 / 那那勇・ナナヨン / 西螺東市場 / 阿敏婆碗粿 】
目次
はじめに
皆さんは、西螺という町をご存じですか?雲林県北部にある小さな町ですが、現在も古い街並みが残り、その風情を求めて観光客が訪れる魅力的な観光スポットでもあります。今回は、日本ではまだあまり知られていない西螺の町をのんびり散策してみようと思います。(トップ写真は西螺延平老街文化館の内部)
1.西螺特産の醤油屋さんで工場見学
西螺は清代に開発が始まり、日本統治時代に周辺の物資の集散地として大きく発展しました。そんな西螺の特産物は「醤油」です。西螺では稲作のほかに豆などの農産物もたくさん集まってきました。そのため、醤油も盛んに生産されるようになり、西螺といえば醤油、というくらい有名になったのです。そんな西螺の醤油の歴史や製法を学べるのが「丸莊醬油」にある觀光工場です。
お店に入ると、そこにはさまざまな醤油が並べられ、その種類の多さに驚かされます。お店のカウンターのところでしばらく待っていると、ガイドの方が奥の工場見学コーナーへ連れて行ってくれます。醤油の製法や丸荘の歴史についてガイドさんがかなり丁寧に解説してくれます。中国語の説明ですが、説明書きが随所にあるので、内容はある程度分かると思います。
日本統治時代に開業した「丸莊」は、戦後様々な商品開発やマーケティングの工夫を重ねて、「西螺といえば醤油」というイメージを定着させるのに成功したそうです。現在では、黒豆で作られたこだわりの醤油や、日本の製法で作られた醤油など、商品もバラエティに富んでおり、お土産にも良いですね。私も、小瓶の醤油を1本買いました。奥に見えるのは、醤油を熟成させる甕。通りからは直接見えませんが、なかなか壮観です。
見学の後は、隣のお店で名物の醤油アイスを堪能
台湾では、様々な味のアイスクリームに出会うことができますが、丸莊醬油の隣にある「逗留小舗」では、なんと醤油アイスを食べることができます!1つ70元の醤油アイスのふたを開けると、そこには真っ黒なアイスが!少し柔らかくなってから食べてみると・・・うーん、個人的には面白い味わいで結構気に入りました。甘さとしょっぱさが程よく混ざった感じで悪くないとは思うのですが、このアイスを食べたことがある友人に聞いてみると、好きではないと答えた人も結構いました。あなたの好みに合うかどうかは、西螺に来て実際に確かめてみて下さい(笑)。
逗留小舗
住所:雲林縣西螺鎮延平路25號
営業時間:8:30~20:00(火曜は~14:00、水曜は11:00~14:00、月曜定休)
2.老街を歩こう~まずは老街の歴史を学べる文化館から
それでは、改めて老街を歩いてみましょう。西螺の老街は延平老街と言い、現在通りに面している建物の多くは、日本統治時代に建てられたそうです。当時の面影を残す建物もかなり残っており、街歩きも楽しいです。そんな老街の個性的なスポットを何軒か紹介しましょう。
西螺延平老街でまず最初に訪れたいのが「西螺延平老街文化館」です。こちらは、1930年に建てられた(奥の二棟、老街に面した第一棟は1935年建造)「捷發乾記茶莊」というお茶屋さんの建物を修復・保存して、西螺の歴史を後世に伝える資料館として開放されているものです。建物の中に入ると、そこにはお茶屋さん時代の品物がいろいろと展示されています。第一棟の奥のブースで入館料50元を払い、もっと奥の部分を見学します。この建物は三進式といい、奥に伸びた三棟の建物と間に挟まれる中庭が特徴。奥の建物は中華風の三合院のような造りになっていて、広くはないものの趣がある空間になっています。2階、3階に上がる階段はとても急。昔の商家は日本でも傾斜が急な階段が多かったですよね。
西螺延平老街文化館
住所:雲林縣西螺鎮延平路92號
開館時間:8:30~17:30(月曜定休)
数えきれないほどの振り子時計に囲まれた老房子カフェ
老街文化館から歩いてすぐの場所にあるのがカフェ「鐘樓咖啡」です。鐘樓とは、「Clock Tower」つまり、時計塔という意味です。1936年に時計などの舶来品を売る商店「金玉成商行」が開店しました。当時のお店は、西螺で一番高い建物だったそうで、今風に言えば「西螺101」とでも言えそうです。建物の最上部には、今でも時計が残されているので、現地を訪れたら是非チェックしてみて下さい。
時計に囲まれてコーヒーブレイク
表の建物でコーヒーを注文したら、奥の建物へ移動して、ゆっくりコーヒーを飲みます。ここがまたすごい空間で、部屋中、振り子時計だらけ。時計屋さんとしての歴史を今に伝える意気込みを感じますが、よく見るとレトロな振り子時計の多くが日本製。知らないメーカーの時計も含めて、かつての日本の時計がいかに評価されていたか実感できた瞬間でした。
鐘樓咖啡
住所:雲林縣西螺鎮延平路76號
営業時間:11:00~18:00(火曜・水曜定休)
レトロな建物に色とりどりに豆がかわいらしい雑貨&ドリンクショップ
老街を歩いていると、またまた昔の風情を残るお店を発見しました。お店の軒先に近づくと、そこにはたくさんの升に敷き詰められた豆!この建物は「永豐米糧行」。1941年に建てられた綜合商店「廣合商行」の建物を大胆に修復、リノベして、レトロでありながら開放的な空間を持つショップに生まれ変わっています。
お店の中には、さまざまな豆が陳列されており、実際に購入もできるそうです。また豆を使った商品を中心に、レトロなお土産品がいっぱい。奥の空間では、杏仁茶を購入して飲めるそうです。
永豐米糧行
住所:雲林縣西螺鎮延平路57號
営業時間:10:00~17:00(土日~18:00、火曜・水曜定休)
時計塔カフェの隣にできた日本大好きのショップに感激!
「鐘樓咖啡」の隣に、ちょっと変わったショップが誕生していました。それが「那那勇・ナナヨン」です。「ナナヨン」とは、この建物の住所番号「74號」から来ています。しかし、これは日本語の読み方。いったいどんなお店なのでしょうか?
このショップ、実は台湾の地方としては珍しい、日本から輸入した雑貨を販売しているんです。お店の奥を見せてもらうと、そこには普段使いできそうなコーヒーカップやお皿、その他さまざまな雑貨が並べられていて、台北の下手な店よりも品ぞろえは充実しています。オーナーさんは、大の日本好き。店先では、アイスクリームなどと並んで、アイスどら焼きが売られていました。暑い時期が長い西螺では、日本のスイーツでも冷やしたものが喜ばれそうですね。
那那勇・ナナヨン
住所:雲林縣西螺鎮延平路74號
営業時間:11:00~18:00(火曜・水曜定休)
3.個性派ショップが集まる旧市場が面白い
老街の並びに、渋い雰囲気のお店が並んでいるエリアがあります。ここは1950年代に建設された「東市場」です。かつては、西螺の市民の台所として愛されてきましたが、老朽化が進み、取り壊しが検討されたころに歴史建築に指定され、保存・修復が進められました。その結果、今ではレトロな雰囲気の店舗にアート工房や雑貨店、ドリンクショップなどが軒を連ねるようになり、西螺の新しい観光スポットとして人気を集めています。
西螺東市場
住所:雲林縣西螺鎮延平路47號
営業時間:10:00~17:00(火曜・水曜定休)
レトロな市場の施設の片隅に息づく碗粿の小吃
「東市場」の脇に、ひっそりと店を構える「阿敏婆碗粿」。昔ながらのシンプルなスタイルの小吃では、台湾の庶民料理の一つ、碗粿が食べられます。これは米粉で作ったプリンのような料理で、甘辛いソースをかけていただきます。実際に食べてみると、塩味と甘さがうまく融合した食べ応えのありました。観光がてらこちらで軽く食事をとる人も多く、この界隈では人気の小吃のようです。
阿敏婆碗粿
住所:雲林縣西螺鎮延平路51巷6號
営業時間:7:50~17:00(木曜定休、日曜は9:00~)
いかがでしたか。西螺はなかなか魅力的な町だと感じていただけたのではないでしょうか。交通アクセスについては、彰化もしくは員林からバスで来るのが一番便利です。また、同じ雲林県内の斗六からもバスが数本走っています。ただし、どの路線も本数が少ないので、事前にバスの時間を調べておいた方が良いと思います。プランを立てるのがちょっと大変ですが、それでも訪れる価値があると思います。台湾の素朴な地方都市をのんびり歩いてみたくなったら、西螺にも足を運んでみて下さい。
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