【雲林県北港】媽祖信仰の総本山「北港朝天宮」の町を歩く

雲林県北港

雲林県 北港 / 北港朝天宮 / 北港遊客中心 / 北港水道頭文化園區 / 北港阿豐麵線糊 / 輝煌牛肉湯 / 保生堂漢方咖啡館 / 日發製飴廠 】

はじめに

台湾各地の媽祖廟の総本山ともいわれている北港朝天宮。この廟があるのは雲林県北港鎮という小さな町です。かつて北港溪の水運で栄えたこの街に作られた朝天宮は、一年じゅう台湾中から訪れる参拝客が絶えることがなく、線香の煙と時折響く爆竹のけたたましい音に包まれます。日本人にとってはそれほどなじみがないこの町ですが、歩いてみると実はとても魅力あふれる町なんです。今回は、北港の廟と街のすがたを堪能していきましょう。(トップ写真は、北港のシンボル・北港朝天宮)

1.何はともあれ北港朝天宮へ~北港は意外と近い?!

(どちらのルートも同じくらい便利です)
①台北から高鐵(台湾新幹線)に乗車し、高鐵雲林駅下車。301番バスに乗り、北港バス停で下車。
②台北から高鐵(台湾新幹線)に乗車し、高鐵嘉義駅下車。7235番バスに乗り、北港バス停で下車。

意外なことに、台北からおよそ2時間で来られるんです!乗り換えもスムーズなので、思ったよりもアクセスは良いです。

それでは、無事に北港に到着したら早速、朝天宮を参拝してみましょう。

北港朝天宮の創建は、1694年とかなり古いです。北港は、笨港溪(元・北港溪)のほとりに物資の引き揚げ港が作られたことなどがきっかけに発展してきた町です(北港の旧名も笨港です)。清代には繁栄を極め、町の中心に位置する朝天宮は長い間、町の人たちの暮らしを見守ってきました。

廟の中に入ると、荘厳な雰囲気の中でたくさんの神像が我々参拝客を迎えてくれます。廟の内部の彫刻などもぜひ丁寧に見て回ってください。一つ一つの装飾が美しく、まさに芸術品を鑑賞している気分になれます。

全国の媽祖廟の総本山だけあって、次々と台湾各地の廟からやってきた神様とその一団が朝天宮に到着します。そのたびに、勇壮な舞などが見られ、大量の爆竹が廟とその周囲の興奮は最高潮に達します。まるで、毎日がお祭りのような雰囲気に包まれた北港朝天宮。その独特な雰囲気を多くの人に見ていただきたいです。

個人的なおすすめは、廟の後方にある媽祖公園という建物。5階まで登ると、朝天宮の内部を見下ろすことができます。平日は夜6時まで、土日は夜8時まで入れるので、タイミングが良ければ、ライトアップされた朝天宮を見下ろすことができますよ。

北港朝天宮

住所:雲林縣北港鎮中山路178號
開館時間:4:00~0:00(無休)

2.北港の町に残る日本時代の面影

北港は、媽祖廟だけの町ではありません。実は、日本統治時代まではかなり繁栄していたこともあり、日本時代に建てられた建造物がいくつも残っています。

1)旧北港登記所

朝天宮から北西に少し離れた場所にある北港遊客中心(観光案内所)。ここは日本統治時代に、登記所(法務局のような公的施設)だった建物で、2021年に修復工事を終えて、一般公開されるようになりました。建物は半分が事務所スペース、残り半分が公文書などの保管倉庫になっていました。外側から見ると、建物の半分だけ窓に鉄格子が設置されていることから、ここに保管された公文書がいかに貴重なものか推察できますね。

登記所の裏側には、公務員宿舎が1棟修復されて、外観が見られるようになっています。こちらは居住用ということで、木造建築になっています。

北港遊客中心 (旧北港登記所)

住所:雲林縣北港鎮仁和路11號
開館時間:9:00~17:30(月曜定休)

2)水道頭 (日本時代の給水塔)

北港の町の中でも北港溪に近い場所に、日本統治時代に建設された浄水場の跡があります。ここが今では、文化園区として整備され、公園として利用されていますが、1997年までは現役の中心にある給水塔は実際に使われていたそうです。給水塔の建物は十角形の珍しい形をしており、県の古蹟に指定されています。

つい最近までは、ここに観光案内所が設置されていたのですが、同じく日本時代の遺構である旧登記所に観光案内所が移転され、今では内部は非公開となっています。それでも、見ごたえのあるレトロな給水塔は必見。古い倉庫も残されているので、街歩きの際にはぜひ立ち寄ってみて下さい。

北港水道頭文化園區

住所:雲林縣北港鎮民生路1號
開館時間:24時間無休

3.北港のおすすめローカルグルメ

1)朝ご飯には 麵線糊がおすすめ

北港といえば、廟の存在ばかりが目立っていますが、実はローカルのB級グルメの宝庫でもあります。台北と比べるとかなりお手ごろな価格で、素朴でおいしい料理を楽しめるところがうれしいのですが、その代表格が「麵線糊」です。

朝天宮からほど近いエリアにある「北港阿豐麵線糊」は、かなり小さなお店ですが、実は地元でも人気の麵線糊が食べられるお店です。日本語では「煮込みそうめん」と訳されることが多いこの料理は、おかゆのように白いスープの中にどろっとした白い麵線が入っており、あっさりしたおいしさで朝食にもってこいです。私は、プレーン味をいただきましたが、加蛋(卵入り)のものも人気があります。

北港阿豐麵線糊

住所:雲林縣北港鎮中正路24號
営業時間:6:00~13:00(水曜定休)

2)たまたま見つけた牛肉湯に感動!

これ以外にも、ブログ記事で挙げられる北港の名物料理はいくつもあるのですが、今回トライしたのは、牛肉湯です。牛肉湯は台南のものが一番有名ですが、ここ北港にも牛肉を扱う良質の小吃が何軒もあります。今回は、偶然通りかかった「輝煌牛肉湯」にお邪魔してみました。

このお店の看板料理は、何といっても牛肉湯。多くのお客さんが牛肉湯を注文しています。少し小さめのお椀に入った牛肉湯(でも、たったの60元なんです)は、少し濃い目のスープにスライスした牛肉がたっぷり入っていて、味も分量も満足できます。これにサラっとたれをかけたご飯を食べるだけで、朝ご飯なら十分かもしれません。

輝煌牛肉湯

住所:雲林縣北港鎮博愛路136之4號
営業時間:8:30~17:00(月曜定休)

4.朝天宮の門前にあるレトロカフェ

北港にも古い建物を活用したレトロカフェがあります。それが「保生堂」。もともと、同じ名前の薬局だった建物をリノベして、カフェとして営業を始めました。漢方の生薬入りのお茶など、個性的なドリンクや、手ごろな価格で食べられる軽食も何種類か用意されています。私が今回頂いたのは、そばのような外見の麵線。ほんのりごま油がきいていて、あっさりしたおいしさが癖になりそうです。

おしゃれと懐かしさが同居する店内

このカフェの中にいても、朝天宮へやってくる各地の廟の一団が奏でる独特な音楽や、騒がしい爆竹の音も、静かな店内で聞くと、夢の世界の音楽のように聞こえる気分になって面白いですね。

保生堂漢方咖啡館

住所:雲林縣北港鎮中山路61號
営業時間:11:00~19:00(金土は10:00~20:00、日は10:00~19:00、水曜定休)

さいごに~お土産の紹介

北港には、共和街という古い通りがあります。ここは、北港でも古い建物が残っている地区として有名で、北港名物のお菓子・北港飴を売っている飴屋さんがあります。北港飴は、麦芽糖やピーナツを使った素朴な味わいの飴で(ヌガーに近い食感です)、手軽なお土産として多くの人々に愛されています。今回は、昔ながらのピーナッツ味の北港飴に加えて、バナナ風味でマシュマロのような食感がある芭蕉飴を買いました。どちらも後を引くおいしさで、まさに「やめられない、止まらない」という感じです。

日發製飴廠

住所:雲林縣北港鎮共和街18號
営業時間:8:00~21:00(無休)

いかがでしたか。台湾の媽祖信仰の それだけでなく、街自体のローカルグルメやカフェ、歴史スポットなどが豊富にあって、最低でも半日欲しいくらいです。高鐵を利用すれば、台北から日帰りで旅行することも十分可能なので、媽祖信仰の総本山の雰囲気を感じつつ、街歩きを楽しんでみて下さい。

 

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