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【 花蓮県 玉里 / 玉里神社遺址 / 安通温泉飯店 / 玉里橋頭臭豆腐 / 廣盛堂 / 忘了時間 】

はじめに

みなさん、玉里という町を知っていますか？花蓮県南部に位置する人口約23,000人の小さな町です。日本人でもこの街を訪れる観光客はかなり少ないと思いますが、実は日本時代の温泉や神社跡があったり、個性的なローカルグルメがいろいろあったりと、かなり面白い町なんです。豊かな自然に囲まれた楽しい町の散歩にさっそく出かけてみましょう。(トップ写真は、玉里の市街地。とても静かでのんびりした雰囲気の町です)

１．まずは町を見渡せる日本時代の神社跡へ

玉里は日本統治時代に開発が進んだ町で、花蓮県南部の拠点都市です。市街地は鉄道駅の前に広がっていますが、駅の裏手の田園地帯には日本時代に建てられた神社の跡があります。玉里神社は1928年に完成した神社で、日本が撤退した後は本殿などは取り壊されてしまい、長らく放置されていました。ところが近年になって、歴史的価値が認められて県の古蹟に指定され、地元のボランティアの皆さんが神社の周囲を清掃したり、修復を行ったりしてくださったこともあり、今では本殿のあった場所まで石段を上がっていくことができます。神社跡の入口には、神社について説明する看板が作られています。

付近に飲食店や観光ショップなどはありませんが、鉄道駅から徒歩15分程度で来られるので、田園風景を眺めながら、神社見学に来るのもよいでしょう。私がここを訪れたときは、他にも台湾人のグループが見学に訪れていました。地元の皆さんの長年の努力が実って、台湾人の間でも観光地として知られるようになったのは、とてもうれしいことですね。

玉里神社遺址

住所：花蓮縣玉里鎮西邊街 (この通りの途中に神社跡へ入る標識があります)
開館時間：24時間参観可能

２．日本時代に開業した温泉を楽しむ

花蓮県南部には、日本統治時代に開発された温泉が点在していますが、玉里の近くにも古い温泉が存在します。それが「安通温泉」です。もともとは日本時代に警察官向けに開発された温泉で、すでに100年を超える歴史ある温泉地になっています。温泉がある場所は、玉里の市街地から車で20分くらいの場所。周囲はとても静かな山林になっていて、とても落ち着ける温泉になっています。日本式の男女別の公共浴場エリアは、水着不要で入れます。もし水着があれば、屋外の各種温泉にも入ることができますよ。

日本時代の建物も大切に保存されています

日本時代から温泉を提供している施設は、今ではホテルになっており、入浴だけでなく宿泊もできます。温泉自体は新しい建物で入ることになりますが、ホテルの脇に、日本時代に建てられた木造の温泉施設が残っており、安通温泉の歴史の長さを感じさせます。現在、日本建築の部分は修復工事中で中には入れませんが、近い将来工事が終わったら、ぜひこの建物もじっくり見学してみたいですね。

安通温泉飯店

住所：花蓮縣玉里鎮温泉36號
温泉営業時間：8:00～22:00 (無休。ただし、日本式の公共浴場は14:00～22:00)
※温泉へのアクセスは、あまり良くありません。バスも走っていますが、1日に5本のみ。タクシー利用が一番おすすめですが、余裕のある方は、玉里駅前でレンタサイクルを借りてのんびり温泉まで行くのも楽しいですよ。

３．隠れた個性派グルメタウン・玉里～ ①行列ができるおいしい臭豆腐

個性派台湾グルメの代表といえば、臭豆腐が一番に挙げられるでしょう。独特の風味が苦手という方も多いようですが、玉里の老舗小吃で提供される臭豆腐は、臭みがそれほどなく、かなり食べやすくなっています。そのせいか、お店の前はいつも長い行列ができており、私が訪れた時も、整理券を渡されてから20分くらいは待つことになりました。出された臭豆腐は、お値段わずか60元。これで小サイズになっており、臭豆腐の上には、泡菜がたっぷり載せられています。このお店では、臭豆腐だけで軽くお腹いっぱいになれそうですね。

玉里橋頭臭豆腐

住所：花蓮縣玉里鎮民權街15號
営業時間：13:30～21:30(無休)
(商品の受け取りは14時過ぎから可能)

②個人的にかなりおすすめ！素朴でおいしい玉里麺

玉里で人気のご当地グルメが「玉里麺」です。これは、玉里だけで独自に発達した麵料理で、もっちりした麵の上に、豚肉やもやし、にらなどがのっていて、結構具だくさんです。台湾各地で見かける「意麵」に似ていますが、ボリュームはこちらのほうが多いですね。

今回は、ネットではあまり話題に出ていない「千筑美食」という小吃で、玉里麵を食べてみました。こちらのお店は、かなり人気があるようで、私が訪れた時も多くのお客さんでにぎわっていました。値段も60元ととてもリーズナブル。個人的には汁なしの麵がとてもおいしかったです。玉里駅から徒歩5分で行けるので、かなり便利なお店なのですが、その分混雑しやすいので、このお店を訪れるときは、ある程度時間に余裕を持たせたほうがよさそうです。

千筑美食

住所：花蓮縣玉里鎮光復路109號
営業時間：おおむね日中から夜まで(決まった定休日はなし)

③日本の羊羹が玉里で受け継がれていた！

玉里には、なんと羊羹もあります！この羊羹は、日本統治時代に日本人が持ち込んだ羊羹生産の技術が台湾人に受け継がれ、今でも玉里名物として多くの人に愛されているとのこと。玉里で一番有名な羊羹店「廣盛堂」を訪れ、実際に羊羹を買ってみます。想像していたよりも小ぶりの羊羹ですね。面白いのは、いろいろな種類の味があること。中にはリンゴ味やはちみつ味など、日本ではあまり見かけない味の羊羹もあり、バラエティに富んだ味わいを楽しむことができます。また、値段が安いのも魅力的。私が購入した5本セットの羊羹はたったの125元。1本25元で玉里の伝統的お菓子を楽しめるんです。日本へのばら撒き用のお土産に買っていくのも面白いかもしれません。

廣盛堂

住所：花蓮縣玉里鎮中山路二段82號
営業時間：9:00～21:00(無休、18:00～18:30は休憩)

４．素敵なカフェもありますよ！

台湾各地に急速に増えているカフェ。なんと玉里の町にも、何軒ものカフェが開店しており、お気に入りのカフェで一服することができます。今回訪れたのは、玉里のカフェの中でもかなり渋い雰囲気のお店「忘了時間」です。

コーヒーもスイーツも満足いくクオリティ

地味な外観のお店に入ると、店内も落ち着いた渋い雰囲気で、静かにゆったり過ごせます。手沖咖啡は期待通りのおいしさ。街歩きの疲れが癒されます。スイーツは、ミルクロールケーキにしました。お隣台東県の初鹿牧場で生産された牛乳をたっぷり使ったケーキは、やさしい甘さでこちらも大満足です。

店内では、一人の青年がしきりにコーヒーを淹れています(他にお客さんはいませんでした)。実はこの青年、将来カフェを開業するために、こういった実力のあるカフェのオーナーさんの下で修業しているのだそうです。最近では、将来の夢としてカフェのオーナーを目指す若者が増えているようですね。どの地方でもカフェ同士の競争は激しくなっていますが、ぜひ立派なカフェを開いてほしいです。

忘了時間

住所：花蓮縣玉里鎮成功街114號
営業時間：10:00～18:00(日曜定休)

さいごに～玉里へのアクセス

花蓮県の南部というと、台北から非常に遠いイメージを持たれていますが、最近では、台湾鉄道の東部幹線で特急列車が増発され、台北からのアクセスはかなり良くなりました。最速列車だと約3時間で台北から玉里に行くことができます。市街地は狭いので、町歩きはとてもしやすいというところも良いですね。

そして駅前には、レンタサイクル屋さんがたくさんあります。市街地を出ればどこにいっても美しい自然の中でサイクリングを楽しめるので、その意味でも、観光地としておすすめできると思います。花蓮も台東も行ったことがある、という方。ぜひ二つの町の中間にある玉里にも一度いらしてくださいね。(最後の写真は、玉里神社跡の参道付近から眺める玉里の町)