【 三峽老街 / 三峽祖師廟 / 金三峽牛角 / 厚道飲食店 / 南玉咖啡店 / 一粟精品咖啡館 / 庶民美術館 / 禾乃川國産豆製所 / 三峽歴史文物館 / 三峽公有市場 / 新北市三峽 】
目次
はじめに~台北から行きやすい魅力的な老街・三峽
台北近郊には数多くの老街があります。もっとも有名なものは九份老街や淡水老街ですが。美しいレトロな街並みを堪能するのであれば、「三峽老街」がおすすめです。老街の両側に続く騎樓(レンガ造りの歩行者用アーケード)は、何度往復しても見飽きることがありません。台北からのアクセスも比較的良く、半日程度で気軽に街歩きを楽しめるのが「三峽老街」。今回は、この老街の見どころをいくつかピックアップしてみました。(トップ写真は、多くの観光客でにぎわう三峽老街)
1.まずは祖師廟からスタート
バス停を降りたら、まずは三峽随一の廟・祖師廟を参拝してみましょう。バス停を降りて、老街の方向に歩いていくと、廟の裏手を通ります。老街の入口を左に曲がればすぐに祖師廟に到着です。
廟に入ると、そこは精緻な彫刻が隅々まで施されている美しい空間が広がっています。訪れる人は多いのですが、廟の中は落ち着いた雰囲気が保たれており、静かに参拝することができます。17世紀に建てられた祖師廟は、地震や日本軍の進駐などで何度か損壊していますが、そのたびに復興を遂げています。第二次世界大戦後に始まった大修復は、地元の有名な芸術家・李梅樹の指揮のもと大々的に進められ、実は修復作業はいまだに続いているのだとか。お参りをした後は、ぜひ2階にも上がって、間近で美しい彫刻の数々を見て回ってくださいね。
三峽祖師廟
住所:新北市三峽區長福街1號
開館時間:5:00~21:30(無休)
2.老街お店巡り1)三峽の定番スイーツを食べよう~ 金三峽牛角
三峽老街の見どころは何といっても、美しい騎樓を持つレンガ造りの老街を散策することですよね。老街沿いには様々なお店やずらりと並び、それらを見て歩くだけでも楽しくなります。その中でも、かなりおすすめできるお店をいくつか紹介しましょう。
まずは、三峽を代表するスイーツ「金牛角」です。クロワッサンのような形をしているのに、食感は硬めというちょっと不思議なスイーツで、三峽老街にもたくさんの「金牛角」ショップがあります。今回は、老舗のひとつ「金三峽牛角」の本店にお邪魔しました、ショーケースを見ると、たくさんのフレーバーがあり、どれにするか迷います。こんな時は原味(プレーンのオリジナル味)がおすすめ。金牛角本来のほんのりした甘さが楽しめます。もちろん、好きなフレーバーがあったら、そちらにトライするのもありですよ。
金三峽牛角 總店
住所:新北市三峽區民權街63號
開館時間:9:00~18:00(無休)
2)昔ながらの食堂で台湾ローカルグルメを満喫~ 厚道飲食店
お次は、お食事処の紹介です。三峽では、老街の周辺に昔ながらの風情を残す食堂が何軒かあります。「厚道飲食店」もその一つ。大きな看板を見ながら階段を上がると、そこには昔懐かしい風情を残す食堂があります。こちらの看板料理は「排骨飯」。あたたかいご飯に大きな排骨が載っている素朴な一品ですが、排骨がジューシーでなかなかのおいしさ。かつての台湾の街角の様子を思い浮かべながら、排骨飯をおいしく召し上がってください。
厚道飲食店 三峽店
住所:新北市三峽區長福街10號2樓
開館時間:11:00~18:00(月曜定休、土日は~19:00)
3)老街に現れたレトロカフェ~ 南玉咖啡店
台湾各地で急増中の個性的なカフェ。三峽老街にももちろん、素敵なカフェがあります。「南玉咖啡店」は、お店は小さいですが、レトロな雰囲気でゆったりコーヒーをいただけます。通りに面した窓ガラス越しには、老街を行きかう人々の姿が。老街の賑わいをのんびり眺めながら飲むコーヒーは、また格別においしいと思います。
なお、このお店は週末しか営業していないので、もし平日に三峽老街に来るなら、もう一つのレトロカフェ「一粟精品咖啡館」もおいしいコーヒーを淹れてくれますよ。
南玉咖啡店
住所:新北市三峽區民權街130號
開館時間:11:00~17:30(土日のみ営業)
一粟精品咖啡館
住所:新北市三峽區民權街93號
営業時間:10:00~19:00(水曜のみ~18:00)
4)老街にひっそりたたずむ個性的な小美術館~ 庶民美術館
さて、三峽老街にあるのは飲食店だけではありません。土産店に伝統工芸品を売るお店なども多いのですが、その中に小さな美術館があります。「庶民美術館」は、三峽生まれの芸術家・呉冠徳氏が運営する私設美術館です。日本統治時代に建てられた建物の内部をきれいにリノベして作られた美術館ですが、1階は彼の作品が展示されており、空間と作品が良くマッチしています。片隅には、ここに住んでいた呉家の歴史が簡単に説明されており、歯科医だった彼の父の品々も展示されています。
2階に上がると、そこはとても素敵な応接間のようになっていて、ここではコーヒーやハーブティーを楽しむことができます。2階の部屋は老街から少し奥まった部分にあり、前面には騎樓の屋根瓦が見え、ベランダに出ると老街を見下ろすことができます。老街で2階に上がれるところはほとんどないので、ここで街歩きとは違うアングルで老街を見てみるのも良いでしょう。
庶民美術館
住所:新北市三峽區民權街110號
開館時間:12:00~18:00(月火水定休)
3.老街周辺の見どころ 1)豆乳の人気ショップは元病院?~ 禾乃川國産豆製所
三峽老街の魅力は、老街内部だけにとどまりません。老街のすぐ近くにもぜひ訪れたいスポットが目白押しです。老街を一本わき道に入ったところに、少し工場のような雰囲気のある建物が見えてきます。ここは「禾乃川國産豆製所」といい、70年前くらいに建てられた小さな病院の建物を大胆にリノベして、豆腐や豆乳製品などを販売するお店として生まれ変わったところです。どおりで、飲食店にしては不思議な感じがする建物だと思いました。
店内は、工場の一角のようなスペースから始まり、奥にイートインコーナーもあります。ここでは、豆腐・豆花・豆乳といった商品がたくさん並べられており、どれもおいしそうです。今回は、ベリーソース付きの豆乳ヨーグルトを食べましたが、さっぱりした甘酸っぱさでとてもおいしかったですよ。軽く食べられる商品が多いので、老街さんぽの途中に立ち寄って、ここでおやつタイムにするのもよさそうですね。
禾乃川國産豆製所
住所:新北市三峽區民權街84巷12之1號
開館時間:9:00~18:00(無休、土日のみ~19:00)
2)日本統治時代の面影を残す歴史資料館~ 三峽歴史文物館
さて、三峽には、日本統治時代の面影を残す歴史建築もあります。「三峽歴史文物館」は、日本統治時代の1929年に建てられた瀟洒な洋館です。日本時代は「三峽庄(町)役場」として使われていましたが、戦後も役場の建物として使われていましたが、現在では古蹟に指定され、町の歴史資料館および、芸術展向けのアートスペースとして活用されるようになりました。
ここは、何かの芸術展を開いていることが多いので、三峽へやってきたら、こちらで展覧会が開かれているかどうかを確かめてみるとよいでしょう。
三峽歴史文物館
住所:新北市三峽區中山路18號
開館時間:9:00~17:00(月曜定休)
3)ローカル市場もかなり面白い~ 三峽公有市場
老街を中心に魅力的なスポットをいくつも紹介してきましたが、最後に紹介するのは、老街の外側にそびえたつビルの中にある「三峽公有市場」です。こちらは、日本統治時代の1913年に建てられた市場が起源となる100年選手の市場です。その後大きなビルに建て替えられましたが、町の台所としての地位は変わりません。
午前中にここに来れば、たくさんの肉・魚・野菜・果物に出会えます。老街が少しよそ行きの雰囲気を持っているとしたら、こちらの市場は100%ローカル。普段着の三峽の様子を見学したければ、午前中に市場に来るのをおすすめします。市場の中には、実力派のカフェやおいしい屋台があって、お腹を満たすこともできます。
三峽公有市場
住所:新北市三峽區民生街186號
開館時間:6:30~16:00(月曜定休)
さいごに~アクセス情報
いかがでしたか。ただ老街を歩くだけでも十分楽しいのですが、通り沿いのお店に立ち寄ったら、周辺部の歴史スポットや飲食スポットなどもとても楽しいですね。アクセスは、MRT板南線の府中駅から高速道路経由のバス、MRT板南線の頂埔駅、台鉄鶯歌駅からの路線バスも走っていて、アクセスは思ったよりも便利です。ぜひ気軽に、こちらの老街に遊びに来てください。台湾らしい楽しい街歩きを楽しめますよ。
【三峽老街へのアクセス情報】
①MRT板南線頂埔駅から
705・706番のバスで三峽老街(復興路)下車徒歩5分
②MRT板南線府中駅から
910番の高速経由のバスで三峽老街(復興路)下車徒歩5分
③台鉄鶯歌駅から
702・981番のバスで三峽老街(復興路)下車徒歩5分
(最後の写真は、夜の三峽老街)
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