【 嘉義 新港 / 新港奉天宮 / 新港大興宮 / 培桂堂 / 星巴克嘉義新港門市 / 林國治美術館 / 新港鐵路公園 / 新港偉鴨肉羹 】
目次
はじめに
皆さんは、嘉義県の北部にある新港という町をご存じですか?台湾では、媽祖様の開祖と呼ばれる廟がある街としては知られていますが、実は街の旧市街にはいろいろな見どころがあって、街歩きが結構楽しいです。今回は、この魅力的なローカル都市・新港を歩いてみたいと思います。(トップ写真は、新港奉天宮の後景)
1.まずは街のシンボル・新港奉天宮にご挨拶
「新港」という名前を聞いて、「ああ、行ったことがあるよ」という日本人はまだまだ少ないのではないでしょうか。というのも、この町は「新港奉天宮」という媽祖廟があることで有名で、それ以外の見どころはあまり知られていないからなんです。1812年に建立された新港奉天宮は、1700年ごろに建てられた廟が起源とされています。日本統治時代に起きた大地震では正殿などが倒壊したものの、その後修復され、現在に至るまで荘厳な姿を残しており、嘉義県の県定古蹟に指定されています。
正面から見るとそれほど大きく見えないのですが、裏に回ると壮大な全景を見ることができます。この廟には、台湾全国から多数の参拝客が訪れ、参拝グループの団体バスが次々とやってきます。川向こうの北港朝天宮も同じように全国から参拝客が訪れますが、新港のほうが少し規模が小さく、穏やかなムードに包まれています。時折、ものすごい量の爆竹が成されてるのは、北港やその他の著名な廟と同じですね。
新港奉天宮
住所:嘉義縣新港鄕新民路53號
開館時間:5:00~23:00(無休)
2.小さいながらも歴史ある廟の奥には昔の役所跡?!
さて、新港の歴史的な見どころは、奉天宮だけではありません。奉天宮のすぐ近くに保生大帝を祀る小規模な廟があります。それが大興宮です。1804年に現在の位置に廟が建てられ、それ以降地震などにより損壊することもありましたが、修復を重ねて現在の姿を残しています。
この廟の後ろには、かつて当地の役所だった「笨港縣丞署」の跡が残されています。内部は役所が使われていた頃の面影を残しており、清代の雰囲気を感じることができます。嘉義や雲林の地方の町を訪れると、このような清代に由来を持つ見どころが随所にあります。特に笨港溪(川)沿いに発展した北港や新港は、清代に大きく発展し、台湾全土の中でも清代の面影を探すことができて、とても面白いです。
新港大興宮 / 笨港縣丞署
住所:嘉義縣新港鄕中正路73號
開館時間:7:00~20:00(無休)
3.新港の新しい歴史スポットを訪ねる
さて、次は日本統治時代の歴史遺構を見てみましょう。日本時代には、医学を修めた台湾人が地元に診療所を開くことが増えました。新港でも、林開泰という人物が医科学校を卒業後、故郷・新港に戻り、診療所を開きました。林開泰は詩人や書家としても才能を発揮したそうですが、地元に帰ると、お金のない人からお金を取らずに診療をするなど、地元の医療のために大変尽くした人物だそうです。
1932年には奉天宮のすぐ近くに診療所兼住宅を建設。これが現在、修復され「培桂堂」と称する歴史スポットとして生まれ変わったのです。この「培桂堂」という名前は、邸宅の大廳の名前から採ったそうです。林開泰の生涯などが分かりやすく展示されていて、勉強になります。
旧邸宅やお土産コーナーも魅力的です
林開泰の旧宅は、一部が畳敷きの和室になっていたり、各種調度品が随所に展示されたりして、レトロムード満点。当時としてはかなり立派なお屋敷に住んでいたことが分かります。また、入口横の案内所兼ショップでは、当地の名物の紹介やお土産の販売なども行われています。一番面白いのは、新港グルメをまとめて紹介するコーナー。ここの展示を見るだけで、食事する食堂が簡単に見つけられそうです。
培桂堂
住所:嘉義縣新港鄕大興路19號
開館時間:9:30~17:00(月曜火曜定休)
歴史建築の背後にはあの有名カフェがありました!
「培桂堂」が面白いのは、歴史建築の部分だけではありません!なんと敷地内にスタバがあるんです!培桂堂の入り口を入ると、奥に通じる道があり、旧邸宅の後ろ側に小さなスタバのお店があります。さすがに建物自体は新しいですが、スタバにしてはこじんまりとしていて、ちょっとほっこりさせられます。地元ではすでに知られた存在なのでしょう、午前中から多くのお客さんが訪れており、歴史施設の観光と合わせて楽しむ人も多いようです。台湾のスタバは、こういうコラボが本当に上手ですね。
ちなみに、培桂堂の入口脇のお店は、これまた台湾の有名店「誠品書店」の期間限定ショップでした。営業期間は不明ですが、もしまだ営業していたら、ちょっと立ち寄ってみるのも良いでしょう。
星巴克嘉義新港門市
住所:嘉義縣新港鄕大興路19號
開館時間:9:00~17:00(無休)
4.老街の中にある小さな美術館
新港ではもう一か所、ちょっと興味深い施設がオープンしました。それが「林國治美術館」です。こちらは築数十年の古い建物をきれいにリノベして、小さな美術館に生まれ変わっています。林國治は、嘉義県鹿草の農家に生まれ育った後、新港では学校で教鞭をとるなど、当地にもゆかりの深い画家です。彼の業績などを展示する美術館が生まれました。
館内はとてもモダンなつくり。学生時代から晩年まで彼のさまざまな作品が並べられるとともに、彼のアトリエを再現したコーナーやコレクションで手に入れた原住民族の丸木舟など興味深い品々も見ることができます。
それだけでなく、2階・3階に上がっていくらせん状の階段にもご注目。木を多用した明るい感じの階段は、まるで日本の新しい家屋のもののよう。美術館を管理する画家さんによると、この建物は日本の木造建築が持つ温かさを取り入れるため、日本から木材を仕入れ、日本の大工さんにも協力してもらったとのこと。実際に、施工にあたった大工さんの名前が書かれた木材が飾ってありました。こんなところでも、日本と台湾が温かな交流をしているんですね。
林國治美術館
住所:嘉義縣新港鄕宮後街11號
開館時間:10:00~17:00(金土日のみ開館)
5.新港には鉄道が通っていた?製糖鉄道の駅跡を歩く
奉天宮の門前にまっすぐ通じる中山路。そこを横切るように線路跡のような部分が残っています。ここから西側に細長く続いているのが「新港鐵路公園」があります。新港にはかつて、製糖鉄道が通っていました。この公園には、ホームの跡や古い車両などが保存されており、街の人々の憩いの場になっています。時折、観光客が記念撮影をしに来ることもありました。街歩きに疲れたら、こちらの公園で、昔の新港の様子を思い浮かべながら休憩するのも良いでしょう。
新港鐵路公園
住所:嘉義縣新港鄕中山路72巷8號
24時間開場
6.街で大人気のローカルグルメは鴨肉羹
さて、新港の町でよく見かける小吃は、鴨肉料理のお店です。特に鴨肉羹は有名なようで、奉天宮の周辺にも何軒かお店がありました。今回はその中で、奉天宮に一番近いと思われる小吃にお邪魔してみました。
「新港偉鴨肉羹」は、奉天宮の前を東西に通じている登雲路の一角にある小さな食堂です。典型的な台湾の小吃といった趣ですが、昼過ぎにもかかわらずお客さんは結構入っていますね。今回は看板料理の「鴨肉羹」と「鴨腸」「魯肉飯」を注文。あわせてたったの105元です。地味な色の料理ばかりですが、味はばっちりでした。
この他の鴨肉羹のお店も同じようにおいしいらしいので、新港に来たら、いずれかのお店で地元の鴨肉羹を体験してみて下さい。
新港偉鴨肉羹
住所:嘉義縣新港鄕登雲路60號
営業時間:11:00~21:00(無休)
さいごに~意外と良いアクセス
いかがでしたか?小さい町ながら意外と見どころが多く、日本人にもお勧めできる町だと思います。気になるアクセスですが、高鐵嘉義駅から新港を経由するバスが日中おおむね1時間に1本発着しているので、台北や高雄からのお出かけも意外と便利です。また北港や嘉義からのバスも結構多いので、他の町とのあわせて訪れるのも比較的簡単です。半日は遊ぶことができる、楽しい町・新港。ぜひ機会があったら一度足を運んでみてください。(最後の写真は、木の風合いが優しさを感じさせる林國治美術館の内部)
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