【萬華 康定路】剝皮寮 歴史探訪ぶらり旅

萬華 康定路 / 剝皮寮歷史街区 / 広州街 / 舊情綿綿 / 洪一峰 / 秀英茶室 / オールドタイムシネマ / 台北観光

(日本語翻訳=Hiroyuki Shima)

台北市にわずかに残っている清代の街並み、艋舺の発展を見届けた街

この場所をあわただしく通り過ぎないようにするには、「想像力」が大切です。これをうまく使いこなせば、我々は時空を超えてどのような場所にも行くこともできます。難しく聞こえますが実施するのは簡単です。想像力をはばたかせ、その場にある図版や解説を助けにすれば、空高く飛び立つことができます。そんな風に「剝皮寮歷史街区」を大空から見下ろせば、全てを見渡すことができます。

「剝皮」の名前の由来には諸説あります

「剝皮」の名前の由来には諸説あります。例えば、「剝皮」の名前は樹皮あるいは獣の皮を剥くことから来ているという説、また「北皮」の閩南語の発音から来ているという説。というのは、清代の土地売買契約書に「福皮寮」あるいは「福地寮」という地名の記載があるからです。日本統治時代になってから「北皮寮街」と改称されました。どの説が正しいかに関わらず、この街が輝かしい歴史を有しており、他の街に代えられないことに間違いはありません。

日本統治時代の市街地整備計画は、台湾の衛生環境や道路事情を改善するもので、新たに広州街、康定路や昆明街などを整備しました。そのため広州街が主要な幹線道路となったため、商業店舗の正面は全て広州街に向けて計画されることになりました。康定路173巷は現在の路地の位置です。老松小学校ができた際、この場所は学校用地となりました。この様に、様々な条件が重なり、異なった時代の町屋の建物が残されました。そして、現在見られる歴史街区となっています。

建物に人がいなければ、物語は暖かみに欠けます

清代の伝統的な町屋は、典型的な細長い連続した建築で、隣りの建物と一つの壁を共有しています。これは主にコストを削減するためにそうなっています。そして、住居と商業の混合用途として、内部空間を有効に使っています。一般的には道路に面した面を店舗とし奥を住宅としています。一階を店舗、二階を住宅としている場合もあります。この様な大通りに面して店舗を配置するという計画から、ここがかつて商業の盛んだった場所であったことが分かります。町屋の建物の前の部分は”亭仔腳”と呼ばれるアーケードです。雨に濡れずに歩ける歩行者スペースになると同時に、店舗空間を拡張するという機能もあります。こういった様々な計画上の工夫に、限られた条件の中で生きてきた昔の人の知恵がつまっています。

建築材料に秘められた謎のアルファベット

一並びの建物が人目を引くだけではなく、伝統的な町屋の建物と異なり、立面の様々な装飾が特徴的です。モルタルによるレリーフや緑の花煉瓦が、視覚的に豊かな色どりを加えています。足元の赤煉瓦にも秘密が隠されています。注意して見てみると「TR」と「S」のアルファベットが菱形の割付けの中に刻まれているのが分かります。これは「TR」は「台灣煉瓦株式會社」の,「S」はイギリスの「Samuel & Samuel Company」の略称です。これらは日本統治時代の台湾煉瓦を代表する会社で、煉瓦界のルイ・ヴィトンと呼ばれています。これらの赤煉瓦を使って建物を建てるということは、建物のオーナーが裕福であることを示しています。煉瓦は人の字型に斜めに割付けられていて、多くの人が訪れるようにという意味が込められています。

伝統的な銭湯「鳳翔浴室」から、お茶や点心を楽しむ「秀英茶室」や「長壽號茶桌仔店」、石炭や木炭を売る「土炭市」、安宿「日祥旅社」など、多様な産業と文化があるのがこの街の特色です。これらの店舗が歴史街区に色どりを添えています。建物だけで人がいないと、物語に温かみが欠けますが、ここには光も温かさもあります。

血を流したことのある指だけが、世界に届く音楽を奏でることができる

剝皮寮歴史街区を活性化するため、ここでは多くの関連する藝術文化の特別展、映画の普及と文化と歴史の宣伝教育などに力を入れており、観光客の関心をひくよう工夫しています。例えば、3つの展示会場を連ねた「宝島歌王 洪一峰 十週年紀念特別展」は、今回の展示の中で最も印象深いものでした。彼の代表曲「思慕的人」、「 舊情綿綿 」及び「黑狗兄返來了」を使って3つの展示会場をうまく関連付けているだけでなく、展示期間中に「洪さんのカラオケ大会」、「時間の更衣室」チャイナドレスの試着体験、「オールドタイムシネマ」、「ラジオライブショー」ライブの歌謡ショーなど多くの魅力的なイベントを企画して、たくさんの人々に記憶に残る体験をしてもらえるよう工夫しています。

人生の舞台で、自分だけの特別な時間を作りましょう。

展示会場の一枚の写真が私の注意を引きました。写真の中で洪一峰がピアノの前に座ってこちらを見ています。その慈愛に溢れる姿に、インドの詩人タゴールの言葉を思い出しました。「血を流したことのある指だけが、世界に届く音楽を奏でることができる」名作を創作し、それを歌って、有名になった歌手が、今でも彼の方法ですべての人を勇気づけています。彼の歌声と映画の写真を通して、皆さんが人生の舞台で自分の時間を持てるように祈っています。

萬華龍山寺の近くの剝皮寮歷史街区

ここではきちんと近づいて見てみないと、剝皮寮歷史街区の衰退と再生を感じることができません。さらに高みにはばたくために、太陽の光を受けて改めて「萬」年栄える繁「華」街となるあの艋舺に戻ります。

住所:台北市萬華區康定路173巷
営業時間:09:00–18:00、月曜定休日

 

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